城陽市教育委員会(京都府)とNTT西日本、NTTスマートコネクトは4月8日、城陽市内の適応指導教室にて、不登校の児童生徒に対して、学び合い、自主性を促進する「新たなる学びの場」の確立をめざして、NTTスマートコネクトが開発した「3D教育メタバース」を導入した。この取り組みは、「3D教育メタバース」を通じて不登校児童生徒への支援を行うという点で、京都府における初の試みとなる。実施期間は3月31日まで。
今回の取り組みでは、実際の仲間の存在感や距離感を感じられるよう設計された3Dメタバース空間を用い、参加者が性別や外見に関する懸念を超えて自由に自己を表現できるアバターを介したコミュニケーションを促進する。
この革新的な空間は、協力的な学習体験、授業活動、および各種イベントの実施に活用されることをめざしている。本取り組みにより、不登校の児童生徒が社会的スキルを培い、学びの場への再統合を支援する新しい道が開かれることが期待される。
「3D教育メタバース」は、場所や組織を超えたつながりによる学びの実現が期待されるサービス。探究学習やアクティブラーニング、他校との交流授業などで活用できる教室や集会所、小ルーム(面談室)、アクティブラーニングルームなど、教育に特化した仮想空間を提供しており、授業や全体集会、グループワークや面談といった学校特有のさまざまなシーンで活用が可能。
仮想空間ならではの3Dオーディオによる臨場感のある会話や、翻訳も含めた音声の自動テキスト化と吹き出し形式での表示等の充実したコミュニケーション機能だけでなく、音声や映像等のログ保存による出席確認や児童生徒の活動状況の振り返り、テキストチャットのNGワードフィルタリング等、仮想空間での学び舎として適したサービスとなっている。
城陽市では、当面、ふれあい教室(適応指導教室)においてメタバースの導入を進め、その成果を踏まえ、ふれあい教室に通室していない不登校児童生徒に支援の対象を拡充。メタバースをはじめとするICT技術を駆使したDX教育を通じて、すべての児童生徒が学びの機会にアクセスできる環境を整備し、個々の能力を最大限に引き出し、社会的自立へと導く支援の実現をめざす。
将来的には、この教育プログラムを学校の教育活動に活用し、個別最適な学びと協働的な学びを実現するとともに、誰もが自らの力で未来を切り拓く力を身に付け、次代を担う人材の育成を展望している。