学校法人西軽井沢学園は、長野県佐久市にデジタルテクノロジーと行動分析学をかけあわせた先進教育を行う「さやか星小学校」を4月1日に開校した。第1期生として新1年生から新4年生まで計22人が4月9日に入学する。
同校は、テクノロジーを駆使して一人ひとりの学習進度に合わせた個別プログラムの提供と行動分析学を用いた、他の公立・私立学校にはない教育を受けられる小学校。様々な観点から、子供たちを見つめ、点数だけでは見えない自分らしい軸を大事にしながらも他者の軸も尊重し、変化の時代を生き抜く人を育てる。
同校ではすべての子供たちの共生を実現するために3つの「あたりまえ」に対する教育を実施。学校生活に悩む子供を生み出すのは、自分自身ではなく、環境にあるという考えのもと、今まで学校教育としてあたりまえとされてきたことを見直し、行動分析学とデジタルを駆使した先進的な教育を行う。
(*1)スクールワイドPBS:子供に望ましい行動を具体的に設定して、その行動ができた際に賞賛・承認をすること、そして目標として行動が起こりやすい環境を整えることで、望ましい行動を身に付けることを目指す教育メソッド
(*2)いじめ防止の3R:いじめの問題を大人の問題として捉え、未然に防ぐために大人がとるべき行動の「3R:Recognize(認識)、 Respond(対応)、 Report(報告)」を浸透させるべく、すべての教職員・保護者向けに提供されるプログラム
また、同校では通常の学校カリキュラムに加えて、自主的な心を育む農業クラブや働くことを考える産学協同カフェなど、子供が能動的に学び、多面的な興味を得る特別な授業体験を準備している。
同校のカリキュラムには、行動分析学を専門とし、生徒や教職員向けの教材事業で指導アドバイスを行っている法政大学文学部心理学科の島宗理教授が参画。行動分析学の方法や哲学、学習者の最適な学びのために、デジタルテクノロジーを駆使して実現するプログラムなどについて協議・協業し、教育カリキュラムと、教職員の働き方を改善するための校務支援システムを開発した。
同校の設立にあたっては、総合コンサルティング企業のアクセンチュアが一人ひとりの個性を伸ばし尊重しながら次世代人材を育成するという理念に賛同し、社会貢献活動の一環として約3年前から支援。小学校のコンセプト開発や事業計画策定、校舎・許認可取得に向けた自治体との交渉などのほか、児童の成長を測るためのデジタルツールの構想や開発者開拓、さらには学校の特長を伝えるためのロゴや映像の制作、校舎設計などクリエイティブ支援も行っている。
今後、同校では、行動分析学の哲学に基づいた教育実践を行いつつ、継続的改善を続けると同時に、デジタル教材や校務支援システムを使用しながら、関係機関や企業と協業して開発を進めていくという。これらの方法については、情報公開の機会を多く持ち、他の公立学校や私立学校でも利用可能なコンテンツを提供できるようにしたい考えだ。社会人の学びのための「越境学習」や、同校を都会に住む子女たちが体験できる「疎開学校」などを計画している。