角川ドワンゴ学園N高等学校(N高)、S高等学校(S高)は4月4日、普通科の生徒を対象に、Azure Open AI serviceのChatGPT-4、DALL·E 3を利用した専用AIチャットシステムを導入すると発表。高いセキュリティとChatGPTの高性能を担保したビジネスレベルのチャットシステムを提供することで、学習、課外活動の効率化に寄与するとともに、社会で必要とされる経験を提供する。
同学園では機械学習やAIについて、2018年時点から機械学習を学べる課外学習や、新入生にAIが作成した手紙を送付する企画、昨年度は鹿児島県長島町の温州みかんを題材に生成AIを学ぶ教育プログラムを実施するなど、AIの活用を進めている。
また学校行事等もN/S高では 2016年から「最先端の入学式」として 沖縄伊計本校の模様をVRで視聴する「ネット入学式」や、バーチャル空間内で進行される模様を、オンライン配信する「メタバース入学式」など、VR機器等を用いた入学式を毎年実施しており、今年は新たにAIも駆使した入学式を実施予定だ。
特にN/S高 普通科ではバーチャルリアリティ、メタバース等最先端のテクノロジーをいち早く導入。学習アプリ「N予備校」のコンテンツ13000本のうち6000本以上がVRに対応しているほか、普通科生はAIアバターを相手に英会話を練習できるバーチャルアプリ「スマート・チューター」(Plus One,Inc.提供)を利用できる。発音や会話速度などをAIが分析し、アドバイスしてくれるので、効率的な練習が可能だ。
そのほか、バーチャル技術などを駆使したスポーツイベント「バーチャル体育祭」や、生徒と教職員が一緒に名所を巡る「バーチャル修学旅行」なども定期的に開催。さまざまなイベントを通して、住んでいる場所を問わず生徒同士が集まれる環境をバーチャル空間で提供している。
今回、N/S高 普通科に、現時点で最も利用されている生成AIの一つであるChatGPT-4を用いたチャットシステムを導入する。大企業が導入している社内向けChatGPTに近いシステム構成で、高いセキュリティとともにデータが二次利用されない、等生徒が安心して利用できる環境を提供する。
①Azure Open AI serviceのChatGPT-4、DALL·E3をSlack上で利用可能
②Slackのパブリックチャンネルで専用のコマンドを用いることでChatGPTが応答
③Webサービス版のChatGPTに対して以下の優位性がある
④専用システムは株式会社ドワンゴが開発
生徒へは、システムの提供のみならず、文科省が公表している「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を元にした生徒向けガイドラインを全校生徒に提供し、学習や課外活動での利用方法から現在の生成AIが抱える課題や現行法との関係についても解説する。
また、機械学習エンジニアを目指す生徒向けのカリキュラムの提供、及びコミュニティ運営を2024年4月より開始。さらにはAIの活用方法及びAIチャットシステムの改善、運営について検討する生徒による「AI共生委員会」を発足する。
「生成AIと創造性」と銘打ち、ゲストに、第170回芥川賞受賞作家 九段理江氏、名古屋大学教授 佐藤理史氏、進行兼コメンテーターとして、教育系Youtuberであるヨビノリたくみ氏を迎え、これからのAI時代に求められる創造性に関する特別授業を開催する。4月19日15時〜16時
特別授業の模様は以下プラットフォームにて生配信。同校生徒だけなく誰でも視聴可能だ。
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