日本テセレーションデザイン協会は4月23日から6月30日まで、東京・渋谷区のこども科学センター・ハチラボにて、珍しい図形を使った数学アート・パズル作品を遊べる企画展「テセレーション展 あそんでたんきゅう!しきつめアート・パズル」を開催する。
企画展では、同協会が探究学習の出張授業やワークショップなどで利用している9種類の作品に触れることができる。
テセレーションとは、長方形や正方形、平行四辺形、台形、たこ型、ひし形、三角形などの図形で平面をピッタリ敷き詰めることをいう。敷き詰め図形は小学校の算数で学習するが、発展的な話題が豊富で、現代数学においても未解決問題が多数存在する研究分野でもある。
見た目のわかり易さもあり、アマチュアを含む多くの研究者がテセレーションの探究を行っている。図形の形状 や敷き詰め模様に着目すると多様な探究テーマを設定が可能だ。
美術の世界での探究者として有名なのが、だまし絵作家のM.C.エッシャー。エッシャーは規則正しい繰り返し模様ができる動物の姿の敷き詰め図形を見つけるために、独自の分類法を探究した。
数学的思考と模様やデザインづくりの美術的要素を掛け合わせたテセレーション は、探究学習に適していると言える。
同協会が2014年に開発した『T3パズル』(ティースリーパズル)は1種類の正三角形のピースの向きや表裏を好きなように組み合わせて模様を作る。最初はひたすら並べているだけだが、そのうちに動物や文字など思いもよらないパターンが現れてくると子供達は歓声をあげることも。
最新の数学アート・パズルとして展示するのは、昨年5月に発見された新種の図形をもとにした「非周期恐竜パズル」。この新種の図形は、長年の数学上の未解決問題の答えとして、世界的に話題となっており、ニューヨーク・タイムズでも紹介された。従来の図形と異なり、1種類の複雑な形状にも関わらず、その敷き詰めには繰り返しが現れず多様な並べ方ができるのが特徴。
名 称 テセレーション展 あそんでたんきゅう!しきつめアート・パズル
会 場 こども科学センター・ハチラボ (東京都渋谷区)
会 期 4月23日(火)~6月30日 (日) 10:00〜17:00
入場料 無料 (科学館入館も無料)
出展作家 中村誠/谷岡一郎/荒木義明/中村建斗/中村文彦