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災害ボランティアとして活動するための注意点などを伝える~オンラインセミナー「災害ボランティア研修 入門編」

2024年4月1日

2011年の東日本大震災の発生以来、日本財団ボランティアセンターは全国各地の災害現場に1万4000人以上の災害ボランティアを派遣してきた。そうした活動現場で必要な事前知識などを伝えるセミナーを定期的に開催しており、災害ボランティアへの参加の仕方などを紹介する「災害ボランティア研修 入門編」が3月26日、オンラインで行われた。講師は日本財団ボランティアセンター・災害支援担当の髙野葉朗氏。


■まずは災害ボランティアセンターに登録

はじめに災害ボランティアに参加するための方法が紹介された。災害ボランティアとして参加する場合、被災地の市区町村で立ち上がる災害ボランティアセンター(以下、災害VC)で登録を済ませて活動を行う。その多くが事前登録制のため、予約無しでボランティア活動を希望しても受け入れられない場合が多いので注意が必要。

 


■災害VCの職員も被災していることを忘れずに

災害VCとはボランティアと被災地のニーズを結び付けてコーディネートする組織となる。災害が発生していない平常時には全国の市区町村の社会福祉協議会が福祉サービスや市民活動の支援を行っているが、災害時には他地域の社会福祉協議会やNPO団体と協力しながら災害VCの運営にあたる。被災地の災害VCを訪れた際、「災害VCの職員も被災して大変な思いをしていることを忘れないで」と語る。

 


■ボランティアとして参加する場合はしっかりと募集要件をチェック

災害ボランティアとして参加する際、行く前の情報収集が大事。被災地がボランティアを受け入れる状況にあるか確認してから動くように注意を促した、被災地の状況は「発災」「緊急期」「復旧期」「復興期」に分けられる。「緊急期」は発災直後の時期で、人命救助や行方不明者の捜索が行われる。災害ボランティアが被災地に入るのは、少し落ち着いた状態の「復旧期」からとなり災害VCが被災者のニーズを把握し、ボランティアとのマッチングを行う。ボランティアに申し込む場合、募集地域や必要な技術など募集要件をチェックすることが求められる。

 


■被災地で必要な装備・持ち物とは

ボランティアとして被災地を訪れる際に必要な装備として、服装は夏場でも長袖・長ズボンが必須。長靴は落ちているガラスや釘でケガをしないよう踏み抜き防止インソールを用意。また、粉塵を吸い込まないようマスクを着用するが、特に防塵マスクを勧めている。頭を守るためにヘルメットはヘッドバンドとあご紐の長さを調節して、しっかりとかぶる。現地で作業を行うためには手袋も必須。最低限、軍手の着用が求められる。水害にはゴム手袋、瓦礫撤去には皮手袋など用途に応じて使い分けができるよう準備する。なお、貴重品など大事なものはショルダーバッグに入れて身に付けておくことが求められる。ヘルメットなどは現地で借りられる場合もあるので、すべて自分で用意する必要はなく災害VCWebサイトなどを確認する。

 


■万が一のことを考えてボランティア保険に加入を

ボランティア活動中にケガをした時のことを考えるとボランティア保険への加入が必須となる。ボランティア保険は自分がケガした時だけでなく、被災した家の家具を壊した時や他人にケガをさせた時、熱中症や感染症になった時などに保障の対象となる。ボランティア保険は全国の市区町村にある社会福祉協議会を通じて加入することができ、Web上で入れる場合もある。

 


■活動を始める前にボランティアが行うこと

災害ボランティアとして参加した場合、はじめに災害VCで受付を済ませる。その後は被災者の要望に沿った活動を行うため、オリエンテーションで説明。オリエンテーションではボランティア活動を行う上での注意事項も説明される。その後、災害VCが被災者のニーズとボランティアのできることなどをマッチングして活動を割り振る。作業場所が決まったら、活動内容に応じて必要な器材を借りて現場に向かう。

 


■活動中に気を付けるべきこと

作業場所では現地の人に自己紹介を行い、具体的な活動内容を確認。活動中は常に声かけを怠らず、何かを渡す時などは相手の名前を呼ぶようにする。休む時はチーム全員でこまめに休憩を取るようにし、熱中症にならないよう水分補給も怠らないようにする。予定通りに作業が進まなくても、時間になったら活動を終了し、災害VCに戻って活動内容を報告。借りていた資器材などは次の人が気持ちよく使えるように洗浄して返却する。

 


■能登半島地震での被災地でボランティア活動を実施

また、今回のセミナーでは11日に発生した能登半島地震の現地の様子やボランティアプラットフォーム「ぼ活!」が、どのような活動を行ってきたかも紹介された。現地の道路には亀裂が入り、車を運転して被災地に入るのも大変な状況だったという。珠洲市で被害の大きかった地域は多くの家が倒壊しており、崩れた家の中から住民にとって大切なものを取り出すなどの作業を実施。また、避難所では被災者の足を、お湯で温めることで血行を良くし、手をマッサージしながら困りごとを聞くなどの活動を行った。被災者に迷惑をかけないために、作業や生活に必要なものは事前に用意するなど『自己完結』がキーワードだとする。

 


■惨事ストレスを発症したら、ゆっくり休むことが大事

ボランティア活動中だけでなく活動後のこころのケアも重要。気を付けないと活動後の惨事ストレスで体調不良など思わぬ症状を発症することがある。被災地の活動に携わることでこころや身体にさまざまなストレス反応が起こる。ストレス反応は傷ついたこころや身体が回復する時に起こるもので誰もが発症する恐れがある。惨事ストレスを発症すると興奮状態が続いて寝付けなかったり、災害現場のことを思い出しフラッシュバックを起こしたりするが、発症した時はゆっくり休むことが大事。親しい人と過ごすことや一緒に活動した仲間と体験を共有することでストレスが軽減されるという。

 


<今後のセミナー予定>

「災害ボランティア研修 入門編」

開催日時:515()19:0020:00

開催形式:オンライン(Zoom利用)

申込締切:58()17:00まで

詳細・申込:以下のWebサイトにて

 

日本財団ボランティアセンター

ぼ活!

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