国際パラリンピック委員会(IPC)公認教材『I’mPOSSIBLE』日本版は、教育現場のICT化の流れに合わせたデジタルコンテンツ対応として、初のアニメーション教材を提供開始した。また、公式WEBサイトもリニューアルして公開された。
『I’mPOSSIBLE』日本版は、IPCが制作した国際版教材をもとに、日本の教育現場での活用のしやすさを考慮し、パラリンピックを題材に共生社会への気づきを子供たちに促す教材として開発された。誰も取り残さず、様々な違いのある人たちと一緒に楽しく活動するための考え方のヒントや、公平について考えさせる話題、人権感覚を育むきっかけなども含まれている。
パラリンピックを題材に、共生社会の実現に向けて「気づき、考え、行動を起こす」力を育むためのICT教材として制作された。アニメーション映像が授業を進行するため、教員への負担が少ないだけでなく、子供たちが楽しみながら学びを深めることができる。小学生版、中学生・高校生版を用意。アニメーション映像は、『I’mPOSSIBLE』日本版事務局とNHKエデュケーショナルの共同制作。
映像が授業を進行することで、子供たちにとってあまり身近ではない話題や、想像しにくいシーンを効果的に学習できる。共生社会、人権教育、公平・公正、障害者理解、多様性の尊重など、さまざまな場面で活用できる内容となっている。
指導案やワークシートに加え、児童・生徒が議論をする際に役立つ「考えるヒント」、発展的な学習をサポートする「+(プラス)アルファ映像」を収録。さらに、字幕のオン・オフ機能や、設問を音声で読み上げる機能を備えており、子供たちの学習をより効果的にサポートする。
パラリンピアン(パラリンピックに出場した選手)が学校にやってくる場面を設定することで、障害のある人たちの行動を想像し、バリアフリーや他者の理解につなげる授業。日頃使い慣れている校内を障害がある人の視点で見直し、バリアフリーになっていない場所を探し出したり、見つかった問題点の解決策について考えたりする。
障害のあるゲストを学校にお招きする際、事前授業として活用すると効果的な内容。発展的な学習に活用できる+アルファ映像では、車いすユーザーのリアルを伝えるため、3人の当事者へのインタビューを紹介している。
障害のある人が日常で経験するさまざまな「気づきにくいバリア」の例をアニメーションで紹介することで、より具体的に状況を理解し、議論を引き出しやすい構成の授業。車いすバスケットボールの香西宏昭選手のメッセージ映像も含まれている。+アルファ映像では、「4つのバリア」を深掘りしている。
アニメーション教材の公開に合わせ、ウェブサイトもリニューアル。教育関係者から寄せられたニーズに応え、必要な情報がどこにあるのかわかりやすくなるよう、閲覧コンテンツを再整理した。
また、授業の目的に沿ったユニット(授業)を探せるように、フローチャート、学習指導要領対応表から選べる資料などを展開している。