千葉県習志野市では、放課後児童クラブにおいて、ラインズが提供する入退室管理システム「安心でんしょばと」を2022年10月に導入。利用開始から段階的にデジタル化を進め、1年後には、それまで紙で運用していた連絡帳のデジタル化を実現している。
「安心でんしょばと」は、児童の入退室時刻をリアルタイムで伝えるための「入退室メッセージ」と、施設からのお知らせを一斉に保護者に送信できる「連絡メッセージ」機能をそなえる、メール配信の複合システム。学童クラブ等の業務負担軽減に寄与するサービスとして、全国65自治体1,600施設以上の公立学童クラブで導入されている。
習志野市は、児童の健全な育成と事故防止を図り、より安全で安心な児童クラブ運営を行うために本システムを24施設(児童約1,200人)で導入した。導入当初は、施設職員、保護者が本システムに慣れるために、段階的な機能解放を進めた。現在は、児童の利用予定時間の確認を本システムで行えるようになり、紙の連絡帳の廃止に至っている。
連絡帳に記載していた内容は、▽保護者から施設への連絡:児童の入退室の予定時間、欠席予定の連絡等▽施設からの保護者への連絡:学童内での出来事(軽微な怪我)等。
今回の「安心でんしょばと」導入について、市こども部児童育成課の担当者は次のようにコメントしている。
「本市では、入退室管理システムの導入にあたり、児童の安全性の向上、保護者と施設との確実な情報共有を行うことに加え、児童が入室した際の連絡帳の確認・返却の手間を無くし、職員の負担軽減に繋げたいと考えておりました。
システム導入前は、連絡帳の確認作業に人員を割き、児童1人あたり2~3分の時間をかけていました。導入後は、職員が児童入室前に入退室の予定時間を把握して、施設内での共有用のホワイトボードに転記できるようになったため、子供たちと関わる時間が増えました。これまで保護者へ連絡帳で伝えていた学童内での出来事は、安心でんしょばとの連絡メール機能を使って問題なく行えています。
また、予定実績管理機能の導入に際しては、紙の連絡帳との併用期間を設けました。併用期間は6カ月に及びましたが、そのおかげでスムーズなデジタル化が実現できました。施設職員からの問い合わせも、導入直後は操作に関する質問がほとんどでしたが、「安心でんしょばと」に慣れた今では、「この業務を安心でんしょばとで行えないか」など、積極的な質問が多くなったと感じています。
今後は、システムの児童の出欠席管理や職員の勤怠管理などのデータログを活用して、現在紙で管理しているものを減らし、さらにデジタル化を進めていきたいと考えています」。