立命館大学(仲谷善雄学長)大阪いばらきキャンパス(OIC)は、2024年4月1日に学生たちの挑戦心を掻き立てる地上9階建ての新棟H棟「TRY FIERD」を開設する。京都の衣笠キャンパスから映像学部・研究科、滋賀のびわこ・くさつキャンパスから情報工学部・研究科が移転。4月からOICは6学部・7研究科を有する1万人超の学生が集う「ソーシャル・コネクティッドキャンパス」として地域共創を推進する。新棟H棟ではデジタルとクリエイティブが融合する新たな学びを展開。誰もが挑戦できる場「TRY FIELD」を実践する。
2020年に映像学部と情報工学部のOICへの移転が決定。2022年6月1日から2024年2月29日の工事期間で新棟となるH棟の建設が進められてきた。新たに誕生したH棟では、両学部の移転によりデジタル&クリエイティブの融合により進化する「TRY FIERD」を展開する。
新棟の低層階は常に誰かが何かに挑戦する姿を可視化する創りとなっており、さまざまな社会課題を発見・解決し、それを実装する人材を生み出すための「TRY FIERD」として展開。また、企業や自治体とも課題を共有し、研究を深めるなど異次元のつながりが新たな価値を創出する「TRY FIERD」として、さまざまなことに挑戦する。
新棟「TRY FIERD」は学園ビジョンR2030「挑戦をもっと自由に」や、R2030を実現するための「ソーシャル・コネクティッドキャンパス構想」の展開を実現する施設。1階はキャンパスプロムナード沿いに共創空間「クリエイティブ・コンプレックス」を配置。外部との接点を増やし、視認性を向上させることで誰もが立ち寄りやすい空間が目指される。また、教室の周りに併設された「コモンズ空間」や対面授業とオンライン授業が融合した「アクティブラーニング教室」などを通じ、新たな学びの場を創出する。
<新棟「TRY FIERD」の主な施設>
【TRY SQUARE】
新棟1階中央部にある「TRY SQUARE」は共創空間「クリエイティブ・コンプレックス」にある各施設の中央に位置する半屋外広場。キャンパスプロムナード、分林記念館、イノベーションラウンジなどともつながる大空間では、地域住民を含めた学内外の交流が生まれ、大学の枠を超えた新たなイノベーションのきっかけが創出される。
【TERRACE GATE】
クリエイティブ・コンプレックスのエントランスとなる「TERRACE GATE」は人々が集う「テラス」のような役割を担う場となる。2層吹き抜けの大空間には350インチの大型LEDビジョンを設置。研究内容の発表やプレゼンテーション、イベント、ワークショップなど様々な取組をリアルタイムで発信できる。
【SP LAB】
新棟1階には「SP LAB」の9部屋が並び、先端研究や最新IT技術の研究が行われる。廊下や外部から部屋の中の様子を見ることができ、学生や地域住人も体験できる研究室となっている。企業や学生が開発した成果物なども展示され、どのような形で研究が進められたかが分かる施設となる。
【SP LAB X(クロス)】
新棟1階に設けられた「SP LAB X」はVRを中心とする先端的なXR体験の研究と創造の場となる。
【Microsoft Base Ritsumeikan】
「Microsoft Base Ritsumeikan」は日本マイクロソフト社がDX人材の育成を目的に、日本では初となる大学内に設置した施設。「DX人材育成」に向けて、同社が持つ多様なテクノロジーとノウハウを生かした、学生・地域・社会人向けの育成プログラムや交流イベント、セミナーなどが行われる。
また、「スタートアップ創成支援」として専門スタッフによる技術支援により、スタートアップに挑戦する人材を生む土壌を整える。「新たな学びの創造」では立命館オリジナルAI「R-AI(仮称)」の開発のほかメタバースなどの先端技術を使用した新たなコミュニケーション空間の創造を進める。
【JIZAI HALL】
新棟1階「JIZAI HALL」は学生の課外自主活動の拠点となるホール。利用する際は完全予約制となる。隣接するキャンパスプロムナードからは学生がダンスなどの活動に励む様子を見ることができる。
.
【Learning Infinity Hall】
新棟2階の「Learning Infinity Hall」は対面授業とオンライン授業が融合した双方の学びができる、ひな壇状になったアクティブラーニング教室。各テーブルにはモニターが設置され、学生がディスカッションしながら講義が進められる。講義が無い時間は学生たちの多様な学びの場となる。
.
【Connected Learning Commons】
新棟3階と2階には教学施設としてオンライン学習が行える「Connected Learning Commons」が教室の周囲に約480席、設けられている。
共創エリアはディスカッションやワークショップに適しておりグループでの活用を想定。ソロワークエリア(オープン=写真)は気軽に立ち寄りやすく、利用しやすい開放的な空間。ソロワークエリア(セミオープン)は個人の集中学習に適しており、落ち着いた環境で学習できる。
【情報理工学部・研究科施設】
情報工学部では各研究室の研究成果や研究内容の見える化を目指し、教室前の廊下空間はデモストリート(写真)として成果物の展示やロボットの試行などが行える。これにより様々な研究分野に属する学生たちの研究意欲を掻き立てる場となっている。廊下部分はすべて直天井仕様となっており、将来のフレキブル性を考慮して計画している。
【LIST(スタジオとして)】
映像学部では一般教室に加え、映画やドラマにおいて登場人物の行動や周囲の環境に起因する音を録音するためのフォーリールームなど高度な映像制作・編集に必要不可欠な研究環境を構築。映像作品の収録や撮影を行うクロマキー合成が可能なスタジオ(写真)も用意されている。また、スタジオは1階「TERRACE GATE」の大型LEDビジョンとは有線でつながっており撮影した映像を流すこともできる。
【映像学部・研究科施設(シアター教室)】
新棟1階のシアター教室は映像学部が制作した映像を試写・上映する教室。音響施設として没入感の高いイマ-シブサウンドのドルビーアトモスを、大学では国内初となる導入を果たした。
【Innovation Lounge】
学部の枠を超えたコラボレーションを促進する「Innovation Lounge」は4階から9階の6層を斜めにつなぐ吹抜状のオープンスペースとなっており、吹抜け空間にドローンを飛ばすこともできる。
階段動線に合わせて「交流ラウンジ」「展示・発信エリア」「ラーニングスペース」の3つの機能が隣接。これにより学部や研究分野を超えたイノベーションの相乗効果を促す。配置された大型4面ディスプレイは1階のTERRACE GATEの映像と連動させることで高階層にも様々な取組をリアルで配信する。
【Co-Creation HUB】
新棟4階から5階の2層にわたる「Co-Creation HUB」は社会共生価値を創出する拠点として自治体や企業などとの共創を通じ、社会課題の導入・解決を実践する場となる。4階の「エントランス」は大学と社会が交わる場をセットアップ。同じく4階の「コ・クリエーションエリア」は自治体や企業の担当者らが訪れ、大学関係者と社会課題について話し合う。さらに、研究内容を深める場合は5Fの「研究連携エリア」を利用して実装が目指される。
【OIC FOOD PARK】
新棟1階のフードコートスタイル「OIC FOOD PARK」はnadeshicoが運営。異なる6業態が並び、食を通じて学部などのコミュニティを超えた交流を生み出す場となる。注文・会計時の混雑緩和とキャッシュレス化を図るため、ナデシコ食堂専用に独自に開発したモバイルオーダーアプリで注文できる。また、食施設に留まらず、プロジェクターにより大画面で映像を投影することができ、研究発表やイベントなどにも利用できる。
<新棟「TRY FIERD」概要>
所在地:大阪府茨木市岩倉町2-150
立地:立命館大学大阪いばらきキャンパス敷地内
工期:2022年6月1日~2024年2月29日
階数:地上9階
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造+鉄骨造
建築面積:7,913.56㎡
延床面積:47,096.00㎡(屋内面積45,440.61㎡)
交通:JR「茨木駅」から徒歩約5分、阪急電鉄「南茨木駅」から徒歩約10分、
大阪モノレール「南茨木駅」または「宇野辺駅」から徒歩約10分