東京都豊島区の区立朝日小学校で2月から3月にかけて、STEM Leadersと世界ゆるミュージック協会によるIoTと音楽を融合した試験授業が実施された。
STEM Leadersは、STEMを活用した問題発見・課題解決をすることができるリーダーを育成する学生団体。世界ゆるミュージック協会は、一社・世界ゆるスポーツ協会から発足した、すべての人に楽器を演奏する喜びを提供するプロジェクト。
授業は、2月22日、29日、3月2日の3日間、4年生を対象に行われた。世界ゆるミュージック協会の目指す「すべてのひとに音楽体験を届ける」というビジョンと、STEM Leadersの掲げる「若者が自ら、STEMを活用した問題発見・課題解決を実践する」を組み合わせ、IoTブロック「MESH」を使ってプログラミングを行い、音をあつめて感謝の気持ちを伝えるという内容。
授業初日はMESHの使い方を紹介・体験した後、日ごろの感謝をだれに、どうして伝えたいのかアイデアを出し、グループで対話してひとつの意見に集約し、それをどういう手法で表現するかをまとめた。
授業2日目は、感謝を伝えるためのストーリーづくり。ストーリーに必要な「音」を録音しプログラミングで音とストーリーを合わせた。探してきた音をいくつも重ねて新しい音楽をつくり、自分たちの動作や声などで工夫して録音した。
3日目は、公開授業の場で保護者に成果発表を行った。児童らは、人形劇、演劇、紙芝居など、各々が考えた手法で発表。グループによって、プログラミング、小道具、音など、様々な工夫が見られたという。サポートする学生チームも一緒につくりあげてきたグループの発表を責任もって最後まで見届け、発表後は、学生と児童が一緒になって達成感を共有した。
本プログラムは、次世代人材に求められる様々なスキルを育むことを目指しており、STEM Leadersのデジタル技術を学んでいる学生の視点から、プログラミングを単なる手法として学ぶのではなく、自分たちの想いや意見を魅力的に伝えるためのツールと捉えて授業を設計したという。
今後も両者は連携をすすめ、新たなデジタル人材育成のモデルを大学生から発信していきたい考えで、デジタルによる課題解決に取り組む人材の裾野を広げるため、プログラミングの楽しさや面白さを、自分の気持ちを表現するツールとして学べるコンテンツを開発していきたいとしている。将来的には、学生が各地の学校や教育機関と連携して、音楽とSTEMを融合した授業コンテンツを開発するネットワークづくりも目指している。