近畿大学は内田洋行と同社グループの株式会社ウチダシステムズと協力し、対面とオンラインを融合した最先端なハイフレックス型学修空間の創出に向けた取組みを進めている。このほど東大阪キャンパス38号館のパソコン教室を大幅にリニューアル、4月1日より利用を開始する。
同学では、2022年度入学生からノートパソコンを必携とし、オンラインと対面を組み合わせたいつでもどこでも学べる環境づくりを推進している。2024年度からは、日本マイクロソフトが提供する「Azure Virtual Desktop」とAccops and Zevoke Technologiesが提供する「Accops HyLabs」を組み合わせ、全学生(大学院・短期大学部含む)約36,000人を対象に仮想デスクトップを導入し、学生が保有するPCの機種やメーカー、OSに影響を受けない快適な学修環境を提供する。
38号館の多目的室、第9・10情報処理教室は、最先端のICTと空間デザインにより、オンラインとリアルをハイブリットに繋ぎ、フレキシブルな学修が行えるハイフレックス型学修空間にリニューアル。各教室はPC必携化で需要が減少したPC教室の据え置き型PCを最大限まで撤廃し、大型マルチスクリーン4面と複数の可動式モニターを備え、学生同士が積極的に自身のPCをフル活用してワイヤレスで様々な意見を創発させるICT環境を設置した。可動式のファニチャーや大型モニター等を導入したことで、教育場面に応じて即興的にレイアウトを動かすなど、躍動感のある授業を行うことが可能だ。
1対多数のレクチャーに加えて、グループワークやディスカッション、プレゼンテーションなど様々な授業シーンに合わせた自由自在なレイアウトが可能。講義時には、資料集とBYOD端末を併用しても余裕を持てるように、机上面を拡げた製品を導入している。
第9・10情報処理教室には、ICT空間制御システムcodemari(コデマリ)を導入し、AV機器の操作をタブレットからワイヤレスで行える。複数プロジェクターの制御が簡単にできるICT環境を構築した。また1つの制御システムから2教室同時のICTツールを操作するなど、教室の分割や統合がスムーズにでき、教職員にとっても使いやすい教室環境を実現している。
ワイヤレス投影システムClickShare(クリックシェア)を導入し、学生が教室のどこにいても自分の端末からスムーズに意見を投影、共有できる環境になっている。加えてマルチ投影環境によってグループワークやプレゼンテーション時には投影面を共有しながら効率的に意見交換ができ、教室内の全画面に発表資料を映すことで資料が見やすく、学生の「協働的な学び」の実践を実現する。
「他学部や地域への開放も視野に入れた、誰もが使いやすい、使いたくなる教室」をテーマに、講義以外での学生の協働活動・自習など多目的に活用することを想定した教室。組み換え可能な家具で学生のグループワークを促進させ、プロジェクター大画面3面+サイド2面に加え、可動の大型モニターを活用することでグループワークや100人までのセミナーにも対応。台形テーブルを組み合わせたグループワークスペースやカウンターなど、一人でも大人数でもリラックスして活き活きと過ごせる空間となっている。今後、地域向けの様々なイベントの開催等も視野に入れて設計している。
発表のステージを意識した中央を囲む形の座席配置で、これまでにないレイアウトが学生の集中力と参加意識を高める設えになっている。学生を主人公とした、より魅力的なプレゼンテーションやレクチャーを演習するためにホワイトボードやセンターステージレイアウトを採用した教室。
教室の中心が学生のステージとなる「共に学ぶ共生の場」。問題解決型学習(Project Based Learning:PBL)、チーム基盤型学習(Team-Based Learning:TBL)などグループワークでの活用を想定し、各グループが使いやすいディスプレイを設置している。より活発な情報共有・意見交換を支え、デジタルでの協働・発表がしやすい教室となっている。
インターネット環境があれば、自身のPCからいつでもどこからでも接続可能なデスクトップ仮想化(VDI)サービスのAVD環境と、自習室の予約などを管理する仮想デスクトップソリューション(Accops HyLabs)を組み合わせて提供。これにより、これまでは通学の必要があったPC教室での授業や自主学習も、場所を問わず実施することができる。また、教員も共通のソフトウェアがインストールされた環境で授業を実施することができる。
3月24日に開催する近畿大学オープンキャンパスで38号館2階の3教室(多目的室、第9・10情報処理教室)を公開し、様々なイベントを開催する。また、2024年度の授業より順次、仮想デスクトップの利用を開始し、全学生・教職員の研究・教育活動をサポートするためのデジタル化促進を進めていくという。