CODEGYMは3月7日、教育機関および教職員を対象とした「生成AI」を用いた校務支援ソリューション「スタディポケット for TEACHER」を発表、2000人規模のパイロットプログラムの参加教員(学校)を募集を開始した。
「スタディポケット for TEACHER」は、文部科学省が定める『初等中等教育段階における生成AIに関する暫定的なガイドライン』に準拠して開発され、GPT-4 を始めとした生成AIの先端技術を活用し、教員の業務効率化と負担軽減、創造性支援を目指す。
「スタディポケット for TEACHER」は、プロンプト入力という従来の対話型AI操作の複雑さを排除し、あらかじめ用意された利用シーンごとに、マウス操作やタッチデバイスで直感的に使えるように設計されている。新しいICTサービスの使い方をキャッチアップする余裕も少ない現場の状況を考慮し、プロンプトエンジニアリングなどの前提知識を極力省いた中で、生成AIの応用的な活用ができることを設計思想としたという。
上記例のほか、教員のメンタルヘルスのセルフチェックや、特定の悩みを抱えた生徒との対話ロールプレイング機能、自身の授業内容に対する改善案の提案、フィードバック機能、今朝のニュースをもとにした授業の導入に使える話題の提供などの独自機能も提供する。
また、学校現場に限らない一般的な生成AIが得意とする業務補助機能として、「箇条書きやキーワードから、まとまった文章の生成」「長い文章の要約」「英語からの翻訳」「英語への翻訳」「マインドマップの作成」「タスクの棚卸し作業のサポート」など、プロンプトを必要とせずに、利用することができる。
初めて生成AIを使うようなユーザーでも、まずは逆引きモードから試してみることにより、生成AIを校務・業務に活用するイメージができるようになる。このプロセスを通じて、AIの基本的な使用方法に慣れるだけでなく、将来的にはプロンプトの指示を自ら考えて応用的な使用へとステップアップする基盤を築くことができる。
逆引きモード機能は、現職の教職員からの利用フィードバックを得ながら、4月末までに100種類以上になる見通しだという。
本サービスは、文部科学省「リーディングDXスクール事業 生成AIパイロット校」の一部などに導入支援の実績がある「スタディポケット for STUDENT(生徒版)」の姉妹サービスという位置づけとなる。「探究学習」や「総合的な学習の時間」、英語の授業での活用、家庭学習などで生徒による生成AIの利活用を目指す「for STUDENT(生徒版)」に続き、教員アカウント側の機能を追加することで、1つのプラットフォームとしての教育現場に特化した統合クラウド SaaS が完成する。教員が日常的に使用するシステムと同等の使い勝手で、生徒にも適切な生成AIの利活用を推進することができる。
なお、それぞれのサービスは、単体・組み合わせて利用可能。学校や自治体ごとのニーズに合わせて、教員向けプラン「for TEACHER」だけを10人から利用することができる。
同社では、3月より順次、教員向けアカウント「for TEACHER」の提供開始に向けて、導入に関心のある学校、自治体、教育委員会からの問い合わせを受け付けている。また、2024年度に向けて、教育現場の新たな可能性を探る、無償のパイロットプログラムとして、教員数規模で2,000人(募集校100校〜200校)の大規模な実証実験を開始する。
開始時期 3月から 問い合わせ順で、順次開始
締め切り 2024年3月末(予定人数に達し早期終了する場合あり)
終了時期 2024年5月末
導入方法
対象校 小学校/中学校/義務教育学校/高等学校/中等教育学校/特別支援学校/専修学校/各種学校
実施人数 教職員 2,000人規模(教員、事務職、管理職含む)
学校あたりの利用人数 約10人~20人(21人以上での利用希望は応相談)
学校数 最大200校程度
必要なもの 教員が利用する Google または Microsoft のアカウント
費用 無償(任意での開発フィードバック・アンケートへの協力あり)
特徴 GPT-4 または GPT-4 Turbo の最新の LLM を利用できる
留意事項 パイロットプログラム期間中は1日に使える利用回数の制限(20回など)あり