PKSHA Workplaceと立命館大学は、PKSHA LLMSと生成AIを活用した「探究型AIコンシェルジュ」の実証実験を完了し、2年にわたる共同研究成果を2月29日に実施された「教育開発DXピッチ最終報告会 D.I.G.」にて発表した。
同社はデジタルキャンパスコンソーシアムという構想を掲げ、AI対話エンジンや共通FAQプラットフォーム等を活用した大学のDXに取組んでいる。また、立命館大学は、R2030「挑戦をもっと自由に」というビジョンのもと、教育領域におけるDX推進に向け様々な取組みを行い、PKSHAと協働し5部署へのAIチャットボットの展開等も実現していた。
その導入をきっかけに、2022年5月に立命館大学が主催する「教育開発DXピッチ」で優秀賞を受賞した構想の実現にパートナーとして参画。受賞した「学生の自分探しを応援する探究型AIコンシェルジュ」構想では、学びにおける個人の志向にもとづいた意思決定を支援するために、履修科目等の提案を行うコンシェルジュが開発され、その成果が「教育開発DXピッチ最終報告会 D.I.G.」にて発表された。
「学生の自分探しを応援する探究型AIコンシェルジュ」構想では、自分自身が気づかない興味や知恵との出会いを通じ、履修計画を各学生にとってよりよいものにするため、立命館大学とPKSHAの協働により企画・開発された。
実現にあたり、まずは学生の興味関心を、ヒアリングを通じて言語化、構造化が行われた。これらの個別情報に対して、マッチする情報を提供するAIアルゴリズムを構築し、立命館大学のシラバスデータと照合を行った上で、履修科目の選択肢を学生に提供。その際「なぜその科目をあなたにおすすめしたか」提案理由を含めて説明することで、自分自身では考え付かなかった新たな分野への学習のきっかけを促進した。
AIコンシェルジュについて、ユーザーテストを実施したところ、90%以上の学生が「また使いたい」と回答し、実用性の高さが証明された。
本構想グループ代表で、立命館大学情報理工学部・仲田晋教授は次のようにコメントしている。
「本取り組みでは、学生の潜在的興味関心や適性を探るサポートとしてAIの可能性に期待しています。AIからのフィードバックを受けた学生が立命館大学の教育・研究環境を最大限に活用し、学びに生かし、強みを創出していくための環境整備を目指しています。AIを活用して“学生の自分探し”を後押しすることで、パーソナライズされた学びを実現したいと考えております」。
同社では、今回の大学との実証実験を通じ、一人ひとりの興味関心を尊重した学びの機会の提供を進める上で、生成AIの有用性を見出すことができたと捉えており、今回の結果をもとに実運用を視野に更なる研究開発を進める考え。引き続き大学業界における課題解決に貢献すべく、AIを活用した課題解決にパートナーと共に取り組むとしている。