インテックは2月22日、高岡市教育委員会(富山県)にクラウド型で利用できる統合型校務支援システムと校務用ファイルサーバ環境を提供したと発表。その導入事例を公開した。
高岡市では、慶應義塾大学SFC研究所とICTを活用した新たな学び環境創造に関する研究開発の連携協力協定を締結し、教育のICT化に重点的に取り組んでいる。
これまでの校務ネットワークでは、教職員は学校内の職員室でしか校務データにアクセスできず、活用面での不自由さ、サーバ管理面での負担に課題があった。そこで、統合型校務支援システムの新規整備と各学校に配置されているファイルサーバの更改にあたり、クラウド化を前提とした校務用ネットワークの導入を検討。慶應義塾大学SFC研究所が文部科学省の教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインに準拠した設計を行い、インテックがゼロトラストセキュリティを実現する環境を提案、2022年10月から構築に着手し、2023年4月から運用を開始した。
クラウド型のサービスの導入により、教職員は出張先など学校外からでもいつでもインターネット経由で校務データにアクセスできるようになり、利便性が向上。導入前は時間外勤務の増加を危惧する声もあったが、導入以降は前年同月に比べて全ての月で時間外勤務が減っており、業務の生産性向上につながっているという。
また、市内で運用管理ルールを統一し、教職員が学校を異動しても校長の管理下で継続して個人フォルダにアクセスできる仕組みとしたことで、データ移行の手間や持ち運びのリスクを軽減した。
さらにシステム管理面では、クラウドサービス側でデータのバックアップ、世代管理や運用監視が行われるため、教育委員会や各学校での運用の負荷軽減を実現している。