熊本県荒尾市とNTTコミュニケーションズ(以下 NTT Com)は、教育用タブレットを活用して登下校中の児童の見守りを行う全国初の実証実験を1月15日より開始した。本実証実験は、国土交通省がデータや新技術を活用した先進的な都市サービスの実装に向けて取り組む実証事業を支援する「スマートシティ実装化支援事業」の一環。
本実証では、荒尾市が児童1人に1台配備している教育用タブレットを活用し、登下校状況や現在地・行動履歴の把握、登校エリアから外れた場合のアラート通知を行うことで、面的な見守りの有効性を検証する。
実証対象は、市立桜山小学校と緑ケ丘小学校の2校。教育用タブレットからGPSで位置情報を取得し、NTTドコモのモバイル回線を通じて、NTT Comが提供する保護者・教職員向けスマートフォンアプリに、児童の現在地や行動履歴を表示。HR(ホームルーム)の開始・終了時や、通学路や校区から外れるなどした場合に通知を実施する。実証期間は2月9日まで。
荒尾市とNTT Comは、来年度の本格運用をめざして保護者や教職員へのアンケート調査などを行いながら有効性を検証。また、出欠情報の確認・管理に関わる教職員の稼働削減や効率化に寄与できるかアンケート結果などから検証する。さらに、本実証で得られた児童の出欠席・行動履歴データを、不登校の兆しの早期発見や、通学路上の横断歩道・街路灯の整備などに活かすことを検討する。