大阪府箕面市は、今年度のデジタル庁「教育関連データのデータ連携の実現に向けた実証調査研究」における「スタディログの活用の調査研究」に採択。コニカミノルタジャパンと連携し、市立彩都の丘学園を実証校として、学習支援ソフト「tomoLinks」を活用した実証調査研究を、11月から開始した。
今回、実証調査研究では、すでに全市立小中学校で活用されているtomoLinksを通じ、スタディログやその他の教育データの更なる活用を進めるために、効果的な分析手法の確立と分析に有効なデータの特定を行う。また、個人情報保護法下における「教育行政系データ」の活用方法についても検討を行い、これまで市が進めてきた教員の働き方改革、子供たちの学び方改革のさらなる加速を目指す。
tomoLinksの「先生×AIアシスト」の機能を活用し、小学6年生と中学1年生の学級を対象に11月より検証を開始しました。検証は以下2つの観点で実施している。
現在実施している各種小テスト、単元テスト、図書教材の取り組みデータおよび、各種学習アプリケーション上のログやコメントデータを、tomoLinksに蓄積し分析することで、児童生徒の学習への反映が可能になる。
これらの分析結果を教員や児童生徒のtomoLinksのダッシュボード上に表示し、学習の個性化を支援できる仕組みについて、構築手法の実証を行う。教員へのアンケートやヒアリング内容も含めて実証結果を考察し、総合的な効果の把握を行う。
学級崩壊の予兆をいち早く把握し、手だてを講じられるように、また、常態的に学級状況に関するデータを取得することで、きめ細やかな指導に向けた分析が可能かを検証する。
分析には、子供自身が入力するtomoLinksの「こころの日記」機能をはじめ、学級のきずなや子供たち同士の関係性、保護者との連携状況、その他学校等が所有する定量・定性データ、主観・客観データなどから有効なデータを見出し、分析手法とその効果について調査研究する。
今回の実証調査研究開始にあたり、藤迫稔教育長は、次のように述べる。
「全国の学校では、ICT機器や環境の『整備』から『活用』のフェーズへと移行しているなか、今後、課題となるであろう『教育ビッグデータの利活用』について、本実証研究を通じて、教育における新たな第一歩を切り開くことができることを期待している」。