JA共済連はこのほど、小中学生を対象に実施した「小中学生の運動に関する意識調査」の結果を公表した。それによると、小中学生の2割以上が「運動嫌い」であることがわかった。一方で、仲間と一緒に体を動かすことや自分が得意な運動を知ることに対してはポジティブに捉えていることも明らかになった。
調査は今年10月〜11月、全国の小中高生男女400人を対象にインターネットを介して実施した。
運動やスポーツについてどのように感じているか聞いたところ、全体で2割以上(22.8%)が「やや嫌い」「嫌い」と回答(Q1)。また、「運動やスポーツにおいて、他人と比べられることについてどのように思うか」については「とても嫌だと思う」「まあまあ嫌だと思う」と7割弱(68.8%)が回答(Q2)。運動嫌いの原因には「人と比べられることへの抵抗感」もあると言えそうだ。
学校の体育の授業については「やや嫌い」「嫌い」と3割以上(31.1%)が回答(Q3)。「運動やスポーツ」よりも「嫌い」である傾向がやや強い。また、小中学生別にみると、「やや嫌い」「嫌い」と答えた割合は小学生が2割以上(24.0%)であったのに対し、中学生は4割弱(38.0%)という結果に。心身の成長に伴い“体育の授業嫌い”がより顕著になるのかもしれない。
さらに、運動やスポーツが「やや嫌い」「嫌い」と答えた小中学生に幼少期(小学校以前)の運動やスポーツに対する意識について聞いたところ、「好き」「やや好き」だったと3人に1人以上(36.3%)が回答した。現在運動やスポーツが嫌いでも、幼少期には運動やスポーツに対してポジティブな感情を抱いていたことがわかる(Q4)。
運動やスポーツに関して好き嫌いに加え、得意不得意についても聞いたところ、「やや苦手」「苦手」と答えた割合は4割弱(39.8%)(Q5)。「自分の運動能力について周りから笑われる、からかわれるという不安に駆られること」に対しては、運動やスポーツを苦手としている小中学生の半数以上(53.4%)が「ある」「まあまあある」と回答した(Q6)。
さらに、「団体競技において自分が足を引っ張ってしまうのではないかと心配に思うこと」が「ある」「まあまあある」と回答した割合は7割以上(71.8%)にも上り(Q7)、多くの小中学生が「他人と比べられること」「他人から笑われる、からかわれること」「他人の足を引っ張ってしまうこと」に対してネガティブに感じていることがうかがえる。こうした感情が子供たちの“運動・スポーツ嫌い”“体育の授業嫌い”を加速させているのかもしれない。
また、体育の授業以外の体を動かす機会について聞いたところ、「週2日以下」(「週1〜2日程度」「週1日以下」)と半数近く(49.3%)が回答(Q8)。小中学生の運動頻度の低さが浮き彫りになった。
小中学生が楽しいと感じる運動は何か、聞いてみたところ、「バスケットボール(32.3%)」が最も多く、次いで「ダンス(32.0%)」、「サッカー(29.5%)」の順に票が集まった(Q9)。王道の球技スポーツと並び、「ダンス」の人気も高いことがうかがえる。
また、「仲間と一緒に運動すること」については8割以上(83.8%)が「好き」「やや好き」と回答し、ポジティブな感情を抱いていることがわかる(Q10)。さらに、「自分が得意な運動や好きになれそうな競技が分かれば、やってみたいと思うか」については9割近く(88.8%)が「そう思う」「まあまあそう思う」と回答する結果に(Q11)。仲間と一緒に楽しみながらできる運動や得意な運動を見つけることが運動やスポーツを好きになるきっかけとなりえそうだ。