京都橘大学と公財・滋賀県文化財保護協会は11月13日、連携協定を締結した。過疎化や少子高齢化等により、地域文化の持続性を支える人材の不足が急速に進んでいるという「社会的課題」と、技術や理念の継承が危ぶまれる「文化財を取り巻く課題」の解決を目指し、大学と文化財調査法人が文化財を軸に包括的に連携する全国的にも例のない新しい取り組みという。
文化財の保存と活用に関する実践的な経験を積む機会を双方で学生へ継続的に供給する。文化財で地域を支える人材を育成し、文化財に携わる人材の世代交代を補うことで、文化財の滅失や散逸を防ぐ人的な基盤を支えることを目指している。
文化財保存活用地域計画を作成中、認定された滋賀県内の市町をフィールドに、市町の文化財担当者×大学×文化財保護協会の3者で、地域で文化財をどのように保存し、活用できるのか、実践的に検討、意見交換を行う。
「文化財保存活用地域計画」学習会
◎単位認定型インターンシップの受け入れ
学生が埋蔵文化財の調査、研究、保存、活用の一端を実践的に学ぶ。
◎活用事業(展示解説等)への参加
滋賀県埋蔵文化財センターや滋賀県立安土城考古博物館内で開催されている活用事業を舞台として学生が展示品等の解説を行い、来場者とコミュニケーションを図ることで、活用の意味を実践的に学ぶ。
実習事業(歴史遺産実習)の様子
◎実習事業の連携―調査から活用
日々発掘調査に従事している調査員が学生の測量技術の習得を手伝う。また、発掘調査で出土した遺物がどのような過程を経て博物館で展示公開されるのかを滋賀県立安土城考古博物館内で学生が学ぶ。
◎講座の受講と出講
文化財保護協会で実施されている連続講座へ京都橘大学の教員が出講。また、京都橘大学の学生は、無料で講座を受講できる。