専修学校クラーク高等学院札幌大通校とみんがくはこのほど、生成AIを使った学習アプリ「スクールAI」による英語指導の共同研究授業を行うことを発表した。「スクールAI」は、第20回 日本e-Learning大賞「経済産業大臣賞」を受賞した「NANDE」の基盤となるサービス。個別最適型学習と協働学習への取り組みに生成AIを活用し、学生一人ひとりに最適なアドバイスを提供することを目指す。
英作文を素材とする授業を実施する。英作文を組み立てる際に必要なアドバイスは、一人ひとり異なります。 個別最適型の学習の実現を目指し、習熟度に応じてアドバイスが段階的に自動生成されるシステム「スクールAI」を採用した授業を展開。
<前半> 個別の作業
生徒はAIの支援を受けながら、英作文の作成に取り組む。作文内容やボキャブラリー、英文構成、作文構成のアドバイスが段階的に自動生成され、生徒が各自のペースで学習をすすめる。
<後半> 協働学習
生徒は、AIの役割を模倣して、他の生徒の英作文に対してアドバイスを提供。このプロセスは、生徒が自らティーチングの経験を積むことで、英語の基礎力を高めるだけでなく、協働学習や主体的に学習素材を調べる姿勢の育成につながる。
この新しい取り組みは、生徒たちの英語能力の向上はもちろん、チームでの協力や主体的な学習の促進、そして先進的な技術との連携による新しい学びの体験を提供することを目指しているという。
今回の共同研究にあたって、同校の福島啓友教諭は次のように述べる。
AIが、学習者自身に適したティーチング・コーチングをしてくれる未来、「学習」に際しての「個別最適」の先生が、人間ではなくAIになっていくという未来を手繰り寄せたいと思います。ただ一方で私たち生身の人間に求められるものは何なのか、経験の共有によりお互いの知識や気持ちを知ること、不確かであっても対話を他者と構築していく力かもしれません。AIとの対話、人との対話を行ったり来たりする学習で少しでも道しるべを見つけたいです。
みんがくの佐藤雄太代表取締役は、「この先進的取り組みにより、生徒たちが自信を持って英語を使いこなせるようになることを願う」とし、教師の負担軽減と生徒の自立学習を促進することで、教育の質の向上にも寄与していく考えだ。