11月18日・19日、国内最大級の科学イベント「サイエンスアゴラ2023」(主催:科学技術振興機構)が開催される。日本テセレーションデザイン協会は、本イベントに毎年出展しており、「テセレーション(図形をピッタリ敷きつめること)」の背後にある数理を、パズルを通した遊びで発見・体験できる場を提供している。13年連続の出展となる今年は、数学者らを招き、最先端の研究を紹介するブース展示を行う。
サイエンスアゴラは毎年、科学技術と社会のつながりをテーマに多彩な企画が展開され、子供たちをはじめとする一般の方々が研究者らと直接対話ができる場。
今年、同協会では数学のアウトリーチをテーマとしたブース展示を行う。諸科学の中でも、数学(特に純粋数学)の研究は日常生活と縁遠く感じる方が多いという課題に対して、数学者らが身近な題材をもとに展示を企画した。
本展示では、親しみやすい動物柄の敷きつめパズルや、光と影で観察する立体パズル、オセロよりも単純で奥の深いボードゲームなどで、遊びを通して数学の研究の魅力を体験できる。
特に今回初出展となる目玉は、「非周期モノタイル」の敷きつめパズル。このパズルでは、50年近く数学者を悩ませ続けた数学の難問の答えを題材としたもので、今年5月に解決した最先端の研究結果だ。
この難問は、1種類だけで平面を敷きつめる図形のうち、繰り返しパターンで並ぶことのない特別な図形を見つけるという問題。ちなみに、同じ特徴をもつ2種類の図形の組として約50年前に発見されたペンローズ・タイルは、2011年ノーベル化学賞である準結晶に対する数理モデルとして有名。新たな準結晶構造を持つ物質の発見など、非周期モノタイルの研究には、科学技術の発展につながる可能性も秘めている。
「本展示を通して数学パズルで遊びながら、数学者との科学技術と社会の未来を語れる対話の場にもなれば」と同協会代表の荒木義明氏。同協会では敷きつめ図形を利用した教育活動にも積極的に展開しており、教育者や保護者の方へのSTEAM教育・探究学習のヒントにもなることを期待しているという。
日 時 11月18日(土)・19日(日)10:00~17:00
会 場 テレコムセンタービル 3F (東京都江東区)
入場料 無料