ベネッセ教育総合研究所は、10月27日から始まる読書週間に向けて、東京大学社会科学研究所と共同で実施している「子どもの生活と学びに関する親子調査」を中心とした調査結果から、子供たちの読書行動の実態や読書行動に影響する要因に関するデータをまとめた。
調査結果からは、約半数の子供の読書時間が0分であること、学年が上がるにつれて読書ばなれが進むこと、読書をしている子供は自分の能力に対する評価が高いことなどが明らかになった。
さらに、同じ親子を7年間追跡したデータの分析からは、幼少期の読み聞かせや早期の読書習慣の形成がその後の読書行動に大きく影響していることが判明した。このような親子の縦断調査から読書行動の変化をとらえたデータは、他に類を見ない新たな発見であり、データからは子供の読書行動と関連する家庭環境や子供自身の要因も明らかになっている。
小1から高3生の全体では、49.0%が平日に読書を「しない=0分」と回答。性別では男子の方が、学校段階別では上の学年に上がるほど0分の割合が多い。
全体の読書時間(1日当たり)の平均は、2015年18.2分から2022年15.2分と3.0分減少。
蔵書数が多い家庭、本を読む大切さを伝えている保護者の子供ほど、読書時間が長い。
入学前に読み聞かせを受けた子供はその後の読書時間も長く、その効果は中学生まで残る。
早い段階で読書習慣を身につけている子供は、その後も長い時間、読書をする傾向がある。
読書時間が長い子供は、理解や思考、表現などの活動について「得意」と自己評価する傾向がある。
読書をしない子供は、ニュースへの関心や自信、将来の目標などの肯定率が低い。
◆今回の分析の詳細なデータはこちらで閲覧することができる。
◆本調査の詳細はこちら