栃木県足利市では、教育DXを推進する取り組みの一つとして、市内の全公立小中学生約9000名を対象に「すららドリル」を6月から導入し、夏休みの宿題での利用を経て、9月からは授業や家庭学習で本格活用している。内閣府「デジタル田園都市国家構想交付金」を活用した取り組みだ。
足利市では本年度、内閣府によるデジタル田園都市国家構想交付金を活用した事業の一つとして「AIドリル等による教育DX推進事業」を進めている。児童生徒の学力向上に寄与する目的のためにAIドリル「すららドリル」が採用された。
6月から導入、7月には教員を対象に活用研修会を実施し、200人以上が参加。全校へ夏休みの宿題として課題配信を行うなど市教委が積極的な運用を主導し、9月から授業や家庭学習における本格活用に取り組んでいる。
市教委では、21世紀に生きる児童生徒に求められるものは、豊かな心をもちたくましく生きる力であり、生涯にわたって学ぼうとする意欲と社会の変化に主体的に対応できる資質・能力であると捉え、目指すべき子供像として「自ら学び 心豊かに たくましく生きる 足利っ子」を掲げている。その具体的な子供像の一つに「目標に向かい、主体的に学ぶ子」がある。
今回の「AIドリル等による教育DX推進事業」においては、個別最適化されたドリル学習により、該当学年以外の問題を利用して個々のつまずきの支援と興味・関心に応じた学習の機会を提供し、学習へのモチベーションを上げ、学習の習慣化を図るという点から「すららドリル」が採用された。市の目指す子供像の実現に向けて、AIドリルの活用に取り組む。
「すらら」は、小学校から高校までの国語、算数/数学、英語、理科、社会 5教科の学習を、先生役のアニメーションキャラクターと一緒に、一人一人の理解度に合わせて進めることができるアダプティブなICT教材。
レクチャー機能、ドリル機能、テスト機能により、一人ひとりの学力に応じて理解→定着→活用のサイクルを繰り返し、学習内容の理解と定着をワンストップで実現する。初めて学習する分野でも一人で学習を進めることができるのが特長で、学習塾をはじめ、小・中・高校、高等教育機関、放課後等デイサービスや個人学習等幅広い活用が広がっている。
「すららドリル」は、アダプティブなドリルと自動作問・採点機能を有するテストからなり、「すらら」の姉妹版として主に公立小中学校向けに提供している。