AI英会話「スピークバディ」の開発・運営を行うスピークバディは9月28日、OpenAI社の提供する文章生成AI技術を活用した新機能「バディチャット」をiOSアプリ向けに提供開始した。
スピークバディは2016年9月にリリースした日本発のAI英会話学習アプリ。従来の「人との対話」ではなく、「感情表現豊かなAIバディ(キャラクター)との対話」を通じて、体系的に発音やフレーズ、単語、イディオムなどを学ぶ。料金は1カ月プラン3,300円〜。
新機能「バディチャット」は、英会話表現を学ぶレッスンの直後に生成AIを活用したリアルな会話演習を行うことで、「学んだことを実践する機会」「それにより自分で会話を組み立てられるという自信を得る機会」を提供する。これまで隔たりのあった「学びの場」と「実践の場」をつなぐ架け橋としての機能だ。iOSアプリのみの機能だが、Androidアプリへの搭載も順次進めるという。
従来、英会話の習得にあたっては、「対人英会話(人間の講師とのレッスン)」が一般的だったが、技術発展にともない、現在「AI英会話(音声認識など各種技術を取り入れた学習)」が注目を集めている。
一方で、人を介さない学習方法であることから「学び」と「実践(会話での活用)」に隔たりがあったことは事実で、実際にスピークバディ利用者からも「学んだこと実践する機会が欲しい」という声が挙がっていたことから、今回の開発に至ったという。
「学んだことを実践する機会を提供する」という狙いから、バディチャットではその日のレッスンで学んだキーフレーズを使って会話する。また会話に不慣れな学習者もいることから、ヒントやAIバディの発話内容をテキスト表示するなど、会話を成立させるために必要なサポートも用意している。
(1)ミッション
会話にミッションを設定し、学びの定着を促進。
(2)会話
相手の発話は聞き取りが必要、沈黙が続くと英語で声をかけるなど、会話体験にリアリティを追求。
(3)サポート
必要に応じて「ヒント」で回答例を見る・「ミッション」を見返す・発話内容をテキスト表示するなどのサポートがある。
(4)結果画面・タイムライン
会話後にはミッションの結果と、AIバディ視点で会話への感想(メッセージ)が表示され、会話内容は音声とテキストで振り返ることができる。
(5)フィードバック
基本的に会話内の「良かった点」と「改善可能な点」をフィードバック。学習効果と学習者への負担を考慮し、フィードバック件数を絞っている。
生成AI技術は様々な分野での活用が進んでいる。教育・学習分野も同様で、文部科学省が7月4日に公表した「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」では、使いこなす力を育てる重要性に言及しつつも、適切な使用例の一つとして「英会話の相手として活用」を挙げている。
同社は、この技術が本来は学習利用を意図した技術ではないことを踏まえた上で、十分に学習効果があがるよう、また安全で適切な会話内容が生成されるよう、機能設計ににあたり下記の工夫を行っている。