レノボ・ジャパンと、大日本印刷はこのほど、東京都の「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム事業に係るプラットフォーム構築・運営事業者(事業プロモーター)」に採択されたことを発表。
東京都の公立学校では、日本語の指導が必要な児童・生徒が約5千人、不登校の児童・生徒が約2万2,000人存在する(2021年度)。両社は今回、こうした児童・生徒に対して、オンラインの仮想空間を活用して居場所や学びの場「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム(VLP)」を提供する。
2023年度は8自治体(新宿区、墨田区、渋谷区、中野区、杉並区、八王子市、狛江市、多摩市)および教育庁地域教育支援部生涯学習課所管の4カ所の「学びのセーフティネット」が対象となっている。
レノボとDNPはともに、メタバース空間を活用した新しい教育機会の創造や、探究的な学びの広がりを目指している。今回、東京都の日本語指導が必要な児童・生徒および不登校の児童・生徒に対して、3Dメタバースや教育コンテンツ、オンライン支援員等を提供する。プロジェクト管理を担当するJMCや多数のパートナー・有識者を交えて、多彩なコンテンツでサポートする。
◎GIGA端末でも快適に動く3Dメタバース
GIGA端末等でも、Webブラウザーで快適に動き、臨場感のあるコミュニケーションを実現する3次元(3D)メタバースを提供。
3Dメタバースは、空間内の人のアバターや各種アイテム等の大きさや動きなどをよりリアルに体感でき、空間への没入感が高くなるため、児童・生徒の参加意欲の向上につながる。また、児童・生徒は、多様なアバターのリアクションによって豊かな表現ができる。
◎実績ある個別学習コンテンツと特別講座
小中高の各学校で一貫して、ブロックプログラミングからテキストコーディングまでのプログラミングが学習できるWeb教材「みんなでプログラミング」を提供する。また、不登校対策支援の実績が多い小中学生向けWeb学習コンテンツとして、城南進学研究社の「デキタス」を、高校生向けの教材としてすららネットの「すらら」を、外国にルーツを持つなど日本語の指導が必要な児童・生徒向けに「すらら・にほんご」を提供。
これらの教材を活かすことで、児童・生徒は自分の進度に沿って自学・自習できる。さらに、ECCによる日本語指導の特別講座を毎月開催する。
◎特別な研修を受けたオンライン支援員がサポート
不登校対策支援で多くの実績を持つ認定特定非営利活動法人キッズドアの研修を受けたオンライン支援員が、3Dメタバース内で児童・生徒に寄り添う。
◎児童・生徒が参加するきっかけとなるイベントや保護者向けのセミナー
児童・生徒が3Dメタバースと現実社会をつなげて考えられるような仕掛けとして、さまざまなイベントを実施する。
また、外国にルーツを持つなど日本語の指導が必要な児童・生徒向けのキャリアイベントや、保護者向けの多様な進路セミナーなども開催。今後は、DNPが運営するメタバース上の施設を利用した美術館や観光地の見学会なども企画する。