ナイルが運営するスマートフォンユーザー向けアプリ情報メディア「Appliv(アプリヴ)」は、夏休みの宿題があった10~20代の男女533人を対象に、生成AIの活用実態に関するアンケートを実施。宿題に生成AIはどの程度使用されたのか、また、どのような課題で活用され実際に役に立ったのかを調査した。
事前調査で夏休みの宿題・課題があると回答した学生533人に対し、生成AIを活用したか尋ねたところ、34.1%が「活用した」と回答。全体の3人に1人が宿題に生成AIを活用していることがわかった。 生成AIの認知度が徐々に広まりつつあり、10代20代の学生の間でも活用する人が増えてきているようだ。
夏休みの宿題に生成AIを活用することについて、学校や親からどのような意見があったのかを聞いてみると、「制限された」が32.6%、「制限されなかった」が67.4%と、肯定的な意見が上回る結果に。リスクが懸念される一方で、学校側や親にとっても、生成AIを活用することで効率的な学習や創造的な表現が促進される可能性を認識、期待していると予想できる。
夏休みの宿題や課題のために生成AIを活用した学生182人に対し、実際にどのようなツールを活用したのか調べた結果、最多は「ChatGPT(134人)」で、利用者の7割以上が利用していることが分かった。
2位以降は「Bard(33人)」「Bing Chat(31人)」と続く。5位に選ばれた「宿題ポケット」は、考え方や解き方を導くことを目標とした中高校生向けのAI家庭教師アプリ。
画像生成AIで名前が挙がったサービスは「Stable Diffusion」のみだったことから、宿題の内容にあわせ、情報収集や文章作成などの目的で広く利用されるツールを選んでいると思われる。
生成AIを利用したと回答した学生のうち、宿題が「捗った」と感じた人は85.7%、「捗らなかった」と感じた人は14.3%。利用した学生の9割近くが、宿題を進めるにあたり役に立ったと考えているようだ。
それぞれに理由を聞いてみると、生成AIのおかげで宿題が捗ったと感じている人では、「情報収集を効率的に進められた(94人)」、次いで「複雑な問題を簡単に解決できた(65人)」「文章の質が向上した(58人)」となった。
捗らなかったと感じた学生の回答を見てみると、「生成AIの回答や提案が不正確だった」「自分の学習理解が浅くなった」「情報の信頼性に疑問を感じた」が上位に。生成AIの活用は、学習に悪影響を及ぼす可能性があるとして大人が懸念している点を、子供自身も実感しているようだ。
また、一部の学生は「操作が難しかった」「得られる情報が宿題に合わなかった」等、うまく活用できなかったことを理由に挙げている。
生成AIを活用した宿題TOP3は、1位「論文やレポートの執筆(103人)」、2位「数学の問題を解くこと(65人)」、3位「読書感想文の作成(48人)」。
情報収集や文書・資料作成を効率化する以外にも、外国語の翻訳やプログラミング、芸術の課題など、さまざまな分野で生成AIが活用されている。
最後に、生成AIの使い方を学んだ方法について聞いたところ、最も回答が多かったのは「インターネットの記事やブログ(65人)」、次いで「学校で質問した(52人)」、「YouTubeや動画サイトでの解説(49人)」だった。
学校や親に質問した人よりも、インターネットやSNSで自主的に調べた人の方が多い結果となった。自分の課題に対し、どのように生成AIが活用できそうか情報を収集し、取り組んだ学生が多かったようだ。
【調査概要】
調査対象:全国の10~20代の男女533人
調査機関:株式会社ジャストシステム
調査方法:インターネット調査
調査期間:8月24日~8月30日
有効回答数:533人
◇性別
男性256人/女性277人
◇年齢
15歳~19歳388人/20歳~29歳145人
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