アライドテレシスは、名古屋市内372カ所の市立小・中学校に整備した災害時用通信環境において、同社の無線LANアクセスポイントなどが採用されたことを発表した。本導入に関する事例を同社ホームページで公開している。
名古屋市では、今後発生が危惧されている南海トラフ巨大地震や気候変動の影響により大型化する台風や集中豪雨など、これまで以上の規模で災害が起こることを想定し、市全体の防災対策を推進していくとともに、地域防災力の強化を図っている。また、緊急時にオンライン会議の開催など、災害DXにも対応した様々な対策が行われている。
避難所の環境整備に注力している市の防災危機管理局地域防災室は、災害時の避難所として想定される拠点に情報伝達手段を確保するための施策を検討。市内372カ所の市立小・中学校で、GIGAスクール構想のもと構築された教育用無線LAN環境を災害時にも活用することや、大規模災害の発生で、携帯電話の通信網の混雑、一部の利用ができなくなる場合を想定し、公衆無線LANスポットにおいて無料提供されるWi-Fiサービスの災害用SSID「00000JAPAN」の利用、などの仕様を決定した。
【避難所での情報伝達手段確保のための仕様】
これらの仕様を満たした無線LAN環境を整備するにあたって、同社のWi-Fi 5対応の無線LANアクセスポイント「AT-TQ5403」や機器冗長を可能とするVPNルーター「AT-AR2050V」などの製品が採用された。
<災害時のWi-Fi環境イメージ>
災害用Wi-Fi環境の設置工事はスムーズに運び、各避難所での訓練の際には点検がされ、安定した通信を提供しているという。これにより、災害用Wi-Fi環境が整備され、名古屋市内372カ所の市立小・中学校では「00000JAPAN」を利用したWi-Fi通信で、スマートフォンを使って各種情報の取得や外部との連絡が可能となった。