プログラミング学習事業などを手掛けてきたCODEGYMは7月20日、中・高校生向けの勉強・学習AIアシスタントアプリ「宿題ポケット」を公開した。App Storeからダウンロードできるほか、Webアプリケーションとしてブラウザから利用できる。Androidアプリも近日中に配信予定。
「宿題ポケット」(グローバル展開ブランド “StudyPocket.AI”)は、生成AI技術を用いて、学習アシスタントAIが答えを教えることなく、生徒・ユーザーとともに考え方や解き方を導くことを目標としたアプリ。宿題や勉強の相談という学生の明確なニーズに対して、チャットを通じて「考える力」「知的探究心」「批判的思考」を磨くための対話文脈の構築を目指している。
生成AIの活用において、たとえば「なぜ雲は白いのですか?」という質問に対し、一般的な対話型AIサービスでは、知識として回答結果をすぐに出力・提供するが、「宿題ポケット」では以下のようなアプローチが取られる。
「良い質問ですね。色というものの性質について考えたことはありますか?なぜ赤いボールが赤く見えるのか考えてみましょう」「たしかに、夏の晴れた青空に浮かぶ雲は白く見えて、どんよりとした雨雲は灰色に見えますね。ふだん私たちは、色をどのように認識していると思いますか?」
「雲が白い理由」という日常的な疑問、理科・科学の宿題テーマから始まり、「光の乱反射について」「色の性質」を理解することに至る。また、生徒は絵の具の色の見え方と、光の色の見え方の違いから、「加法混色」「減法混色」という色が持つ原理的な性質について、知識を得る機会となる。
英語・数学などの問題でも同様に、ステップを踏んで生徒の宿題の質問に寄り添いながら、すぐに答えは教えずに、徐々にヒントを開示したり、分かりやすい例え話に置き換えて解説を行いながら、生徒自身が答えにたどり着くことを支援する。
特定の答えにたどり着く「数学」や、その他知識としての教科・科目だけでなく、読書感想文や自由研究、レポートの執筆など生成AIが得意としている「創作」の倫理的な観点においても、「宿題ポケット」は有用だ。
たとえば、「芥川龍之介の “羅生門” の読書感想文を書いて」というリクエストに対して、何度お願いしても、宿題ポケットでは、代わりに全文を出力するようなことはない。
「どのような登場人物が印象に残りましたか」「そのシーンを読んだとき、どんな気持ちになりましたか」といった問いかけに答えを探るうちに、文章の骨子が完成し、その文脈ごとに最低限の一部添削などのアドバイスは行ってくれる。これらのLLMのチューニングにおいては、技術的進歩や、本アプリ内でのファインチューニング、機械学習を強化することで、より精度を高めていくという。
数学のような答えが明確な問題、読書感想文といった創造性を求められる問題以外にも、生活の中での雑学や倫理、社会人にとっての資格の勉強にも役立てられる。例えば「料理がうまくなりたい」というテーマで相談をすると、「料理がうまくなるために必要なことは何だと思う?」「料理のなかで、とくに苦手なところを教えてくれたら、一つずつ克服するためのアイデアを提供するよ」という回答が得られる。
「宿題ポケット」では、既存の質問トピックの文脈をもとに、LLMを活用する技術によって、既存の文脈・質問と回答のセットをもとにした、類似または抽象化・具体化された異なる5つの質問トピックをランダムにその場で生成することが可能。
例えば、前述の「なぜ雲は白いのですか?」という質問の再生成(リジェネレート)機能を用いると、ランダムにではあるが、一例として以下のような質問が作成される。
「雲はどのようにして出来るのですか」
「なぜ、異なる種類の雲が同時に存在するのですか」
「雲はなぜ乗れないのですか」
このようにセレンディピティ(偶発性)を伴う質問の自動生成機能をワンタップで使用でき、自分自身の質問投稿として使用することができる。質問が思い浮かばい場合、他の良い質問をリジェネレートするところから、生成AIに入門することが可能だ。
これらのリジェネレートされたコンテンツは、データベースとしてチェーンされ、相互に無限にリンクし合うことから、知識の広がりや知的探究心が広がることの可能性が期待できる。
App Store ダウンロードページ