愛知県教育委員会では、2021年12月に策定した県立高等学校再編将来構想において、「経済社会とリンクした実践的な商業教育へのリニューアル」を掲げている。ビジネス探究プログラムでは、この構想に基づき、地元企業が求める「ビジネス現場で主体的に行動できる人材」の育成を図ることを目的に、教育課程の開発および運営支援に係る業務を大学を含む民間事業者と連携して実施する事を決定し、プロポーザルによる委託事業者の選定を実施し、「名古屋商科大学(学校法人栗本学園)」が受託した。
同学は、2000年に名古屋商科大学経営大学院を開校し、社会人を対象としたMBA課程において、全ての授業で最新のビジネスケースを教材とした「ケースメソッド」を導入している。そのケースメソッドに関する知見を活用し、県教委並びに県立各商業高校と連携を図り教育課程の開発や導入を支援する。
実際に起きた経営上の事例を教材として問題を分析し、討議しながら自らがリーダーとなって解決策を導く「ケースメソッド」や、生徒自らが課題を発見し、協働して解決していく「PBL(課題解決型学習)」を柱とした教育課程を開発し、導入することで「主体的・対話的で深い学び」を実現することを目標としている。このプログラムにより、「ビジネスの現場で新たな価値を生み出すことのできる創造力豊かな人材」の育成を目指す。今後、3カ年計画で下表のとおり、教育課程の開発および各商業高校への導入を進める予定だ。
2023年度の導入校は、▽愛知商業高等学校▽一宮商業高等学校▽半田商業高等学校▽岡崎商業高等学校▽豊橋商業高等学校の5校。