菅公学生服(カンコー学生服)は6月27日、公立中学・高校の教員を対象に行った「部活動の地域移行の状況」調査の結果を公表した。調査は、今年6月、全国の公立中学・高校の教員1,181人を対象にインターネット上で実施。地域移行の実施の有無や課題、部活動・クラブの必要性について聞いている。
それによると、部活動の地域移行の実施状況は、公立中の約2割、公立高の約1割で、公立中では「移行予定」もあわせると半数以上の学校で取り組みがみられる。しかし一方で、指導員の人材確保などの課題も多いことがわかった。
公立学校での「部活動の地域移行」の有無は、「すべての部活動で移行している」(公立中学校1.9%、公立高校1.1%)、「一部の部活動で限定的に移行している」(公立中学校16.6%、公立高校8.9%)という状況で、公立中学校の約2割、公立高校の約1割が移行していると回答。さらに、公立中学校では、「今後、移行予定がある」(36.7%)をあわせると、半数以上の学校で「部活動の地域移行」への取り組みがみられる。一方、公立高校では「移行予定はない」(68.8%)が多いという結果だった。
Q.あなたの勤務する学校では、「部活動の地域移行」は実施していますか。(単数回答)
学校の「部活動の地域移行」の課題については、「部活動指導員・外部指導員の人材確保」(中学校82.9%、高校68.6%)が最も多く、続いて「部活動指導員・外部指導員の費用」(中学校52.5%、高校50.6%)、「事故、ケガ、生徒間トラブルの対応」(中学校51.2%、高校42.6%)、「保護者への説明・理解」(中学校39.9%、高校29.3%)、「部活動指導員・外部指導員の指導力・専門知識・スキル」(中学校37.5%、高校36.3%)など、中学・高校ともに課題があるようだ。
Q.あなたの勤務する学校の「部活動の地域移行」の課題は何ですか。(複数回答)
員が考える生徒が学生時代に部活動・クラブに取り組むことの必要性は、「とても必要」(中学校43.6%、高校46.7%)と、「やや必要」(中学校45.9%、高校38.9%)をあわせると、約9割の教員が部活動・クラブは必要と回答している。
Q.生徒が学生時代に部活動・クラブに取り組むことは、必要なことだと思われますか。(単数回答)
調査結果を受けて同社は、学校教育の一環として行われる部活動が、体力や技能の向上を図る目的以外にも「生徒がスポーツや文化・科学に取り組むことで、自己肯定感・責任感・連帯感などを養う」ことや「異年齢との交流の中で人間関係の構築やコミュニケーション能力・学習意欲の向上など、生徒の多様な学びの場として教育的意義が大きい」ことを部活動の価値として挙げ、それを踏まえながら、少子化や教員の働き方改革といった時代の変化とともに、新しい部活動の在り方が求められていると分析している。
▶︎調査結果