埼玉県新座市とSkyは、昨年秋に実施された指名型プロポーザルを経て、9月より運用が開始される新たな教育ネットワークに係る契約を締結した。
新しい教育ネットワークは、文部科学省『教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン』等に示された方向性に忠実に沿い、GIGAスクール構想によって整備した高速インターネット環境を生かしてゼロトラストネットワーク(アクセス制御型ネットワーク)を採用するとともに、フルクラウドによる構築を実現するという、全国でも先駆的な事例となる。
新座市は、GIGAスクール構想以前からICT施策や情報教育環境の整備に継続的に取り組んでおり、日経BP社『公立学校情報化ランキング2021』において、小・中学校とも全国1位となるなど、高い評価を得ている。
一方で、GIGAスクール構想環境で集約した教育データの利活用や、既存ICT環境の老朽化など教育ネットワークにおいて複数の課題もあった。そこで、2023年9月に予定している既存教育ネットワークの更新に合わせて残存課題の解決を図り、教育先進市となることをめざすこととした。
今回の整備では下図のとおりの環境を構築することで、文部科学省が示す方向性に忠実に沿って、ゼロトラストネットワーク・フルクラウドを実現する。
<新座市教育委員会の整備予定概要図>
この環境整備と併せ、中学校における採点事務の効率化および負担軽減のための「自動採点システム」を採用。そして、ペーパーレス化の推進と出欠席連絡などの朝の事務負担の軽減のための双方向でやりとり可能な「保護者連絡システム」を導入。また、印刷機やFAX、プリンタを複合機に集約して一本化し、消耗品の自動配送を含めたサブスクリプション契約を結ぶことによる印刷環境の一新など、各種システムの更新も実施される予定だ。
これらの整備によって教職員の業務負担が軽減されるとともに、働き方改革が推進されることで、教員の児童生徒1人ひとりと向き合う時間が増えることが期待されている。
Skyは、SASEや統合ID管理システムなど教育ネットワークのゼロトラスト、フルクラウド化を実現するための各種ソリューションの導入および環境構築、運用支援などを担う。さらに今後5年間にわたり、さまざまな課題や現場の困りごとの解決に共に取り組み、協働によって乗り越えていくベストパートナーとして、同市の教育を主にシステム面から支えていくことで、市がめざす「にいざGIGAスクールNEXT5.0」の実現に向けた取り組みを支援する。