公財・日本財団とドワンゴは6月1日、新しい教育システムの構築に関する包括提携を締結した。具体的な取り組みとして、日本財団ドワンゴ学園準備会を設置し、多様化する教育環境・教育格差に対応した日本発の本格的なオンライン大学「ZEN大学」(仮称)の2025年4月開学を目指す。
全ての子供たちを対象にした、最先端のテクノロジーと最前線で活躍するプロフェッショナルの教員たちによって創り出される“日本発の本格的なオンライン大学”。日本財団ドワンゴ学園準備会が10月に認可申請を予定している。
【大学名】 ZEN大学 (仮称)(設置構想中)
【開 学】 2025年4月(予定)
【定 員】 初年度入学定員5,000人/総定員20,000人(予定)
【年間授業料】 380,000円(予定)
ドワンゴは、学校法人角川ドワンゴ学園の設立母体として、N高等学校の開校に伴い2016年から最先端のオンライン教育システムの構築に取り組んでいる。
動画サービスで培ったIT技術やオンラインコミュニケーションのノウハウを活用した学習アプリ「N予備校」の開発を行い、2023年4月までに12,968個の授業を制作、N高等学校・S高等学校の学習ツールとして提供してきた。また、この7年間、約5万人の生徒に学びの場を提供する中で、生徒たちの家庭の収入や環境、希望する進路の多様性と向き合ってきた。
日本財団は、より良い社会を実現するために、長きにわたり国境や分野を超えて様々な角度から課題解決に向けた支援活動を行っている。
「子どもサポートプロジェクト」では、困難を抱える子供や若者が少なくなるような社会の仕組みづくりを目指し、子供たちの未来の可能性を育むプロジェクトや育成環境を整えるプロジェクト等、幅広い教育支援を推進。高等教育においては、東京大学先端研究所と連携した異才発掘プロジェクトや世界69大学と連携した奨学金プログラムなどの支援に取り組んできた。
こうした教育分野における取り組みの背景には、現代の日本が抱える教育格差が存在する。両者が直面してきた教育環境を取り巻く課題として「収入格差」「地域間格差」「男女格差」が挙げられ、これらは貧困の連鎖や経済格差拡大、地方衰退といった社会課題に密接に関係していると考えられる。
両者は、教育格差における課題解決と次世代人材の育成による持続可能な社会の実現に向けて、それぞれが有するノウハウや知見、ネットワーク、資源等を活かした新しい教育システムを構築し、全ての子供たちに一人ひとりの個性・関心を尊重した質の高い教育の機会を提供したいと考え、今回の提携に至ったという。