東京都多摩市は今年度より「多摩市被保護者次世代育成支援(スタディクーポン)事業」を政策化。事業運営は公社・チャンス・フォー・チルドレン(CFC)が担当する。
市ではこれまでも、貧困を理由に学校外学習の機会を失ってしまう子供たちの自立促進支援を目的に、生活保護受給世帯の小学4年生~高校3年生に対し、学習塾等にかかる費用を償還払いにより支給してきた。今年度より、学習塾等の費用の立て替えが難しい家庭が利用しやすい制度とするため、費用の立て替えが不要な「スタディクーポン」による支給方法を導入することとし、公募の結果、CFCが委託事業者として決定した。一人あたりのクーポン提供額(年額)は、小4~中2が10万円、高1~2が15万円、中3・高3が20万円。
スタディクーポン事業は、経済困窮家庭の子供たちに対して、学習塾や習い事等の学校外教育に使途を限定した“スタディクーポン”を提供し、家庭の経済格差により生じている教育格差を解消する取り組み。子供たちは、登録された地域の学校外教育機関でクーポンを利用し、学ぶ機会を得ることができる。また、大学生等のボランティアが子供と定期的な面談を行い、学習・進路・生活などの相談に応じる。
子供の教育格差の解消を目的に、CFCが2010年に国内ではじめて実施した取り組みで、プロジェクト発足後、累計6,000人以上の子供たちを支援してきた。主に寄付金を原資としており、本事業を政策導入した自治体(2023年5月末現在6自治体)と協働で運営している。