誠勝は6月12日、奈良大学において、特別講義 「国文学科で知っておきたい、デジタルアーキビストが行う地域課題の探究 〜“文化” を仕事にする人に求められること〜」を開催する。
当日は上級デジタルアーキビスト資格をもつ同社の寳德真大氏が、博物館学芸員や図書館司書を多く輩出する奈良大学の学生を対象に、ビッグデータの活用方法とその必要性について講義する。
講義内では地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」(※)を活用し、学生によるグループワークも実施。グループワークでは、奈良市と周辺の市町村の人口統計や文化施設の入館者総数などのデータから、地域における文化施設の課題・活性化のためのヒントを発見する。今年4月の改正博物館法、6月からの改正著作権法施行をうけ、”文系”の仕事においても今後ますます重要性を増す「デジタルアーキビストの視点」を学ぶための講義となっている。
※RESAS(リーサス): 内閣官房のデジタル田園都市国家構想実現会議事務局と内閣府地方創生推進事務局が管理するビッグデータシステム。人口、産業、観光、交通、教育、医療、環境、防災、文化・芸術、スポーツなど、地域の様々な分野のビッグデータを地図やグラフで表示するよりことに、地域の現状を把握したり、地域の課題や可能性を分析したりすることができる。
今年4月1日、約70年ぶりに改正博物館法が施行され、国から認定されている登録博物館および博物館相当施設は、2028年3月31日までに都道府県等の教育委員会から審査・確認を受けることが求められている。それにより博物館は、史資料のデジタル・アーカイブ化や、「地域活性化のための利活用」について取り組む必要が出てきた(23年4月末時点で奈良県教育委員会所管の登録博物館は14館、博物館相当施設は6館)。
さらに、6月1日には改正著作権法が施行され、公共図書館等も一定の条件下で収蔵書を電子媒体で公衆送信することが可能になる見通し。こうした社会環境の変化により今後、博物館学芸員や図書館司書といった文化拠点で活躍する専門職にも、地域活性化にコミットする「デジタルアーキビストの視点」がますます求められる。
本講義は、将来こうした文化拠点の担い手となる奈良大学の学生に、「RESAS(リーサス)」などの公的なビッグデータの利活用スキルと「デジタルアーキビストの視点」を身に付けてもらうことを目的としている。