ベネッセコーポレーションは5月10日、全国45自治体と「全国自治体リスキリングネットワーク」を発足、同日、ネットワーク発足のキックオフイベントを東京で開催した。
本ネットワークは、学びのリーディングカンパニーである同社が、自治体へのリスキリング支援と自治体間の情報交換推進を目的とした日本初のネットワーク。自治体間の交流を促進することで、全国の中小企業・自治体におけるDX推進や、市民のリスキリング推進を目指す。
同社は、2020年12月から、「Udemy Business」を活用した行政・自治体向け人材育成プログラムを提供しており、2023年度は、鳥取県、埼玉県、名古屋市をはじめ全国50以上の自治体で導入予定だ。
全国の自治体では、DXや地域産業、人材不足への対応が喫緊の課題となっている。一方、同社が2021年に自治体に行ったDX推進に関する調査では、約9割(88.6%)が「部門や職員によってIT知識に差があり、話を進めるのが難しい/話を進めるのに時間を要する」と回答しており、「DXと言っても何から学ぶと良いのか、どう学べばよいのか分からない」という意見も約9割(85.6%)に上る。
また、同社が自治体にヒアリングを重ねる中で、各自治体は似たような課題を持っているものの、その課題を共有したり、DX人材育成の先進事例を知る機会がなく、自治体間で情報交換できるプラットフォームづくりが必要であることが分かった。
このような背景から、日本初の「全国自治体リスキリングネットワーク」を発足し、自治体に特化したプラットフォームの運営を通して、全国の自治体および中小企業におけるDX推進や、市民のリスキリング支援をより一層強化することとした。まずは特設サイトやメルマガ配信を通して、各自治体の取り組みを発信するとともに、テーマ別(庁内DX人材育成、地域企業のDX推進、市民のリスキリング)の分科会や、エリア別の情報交換会、ワークショップ等を開催していくという。
キックオフイベントには、ネットワークに参加する自治体のうち12自治体が参加し、鳥取県・江戸川区における取組事例や自治体間の情報交換のための交流会が行われた。次回は8月頃に事例共有会を開催予定だ。