東京書籍と、一社・教育のための科学研究所は5月9日、同研究所が運営する「リーディングスキルテスト」(以下、RST)と、同社が提供する教育プラットフォームサービスとを、API(※1)を通じて連携させることをめざし、協議を開始したと発表。
RSTは、文章に書かれている意味を正確にとらえる力(基礎的な読解力)を測定・診断するツール。教育機関、特に小・中学校においては、RSTを毎年受検し、経年変化を見ることで、指導方法を検証したり、読解力と他の能力との相関などを科学的に分析したりすることができる。2022年度においては、約8万5千人がRSTを受検した。
今回、連携対象として検討している教育プラットフォームサービスは、同社の「マイアセス」。マイアセスは、東京書籍等の提供するCBT(※2)をプラットフォーム上で実施し、CBTおよびPBT(※3)による調査結果をWebカルテで表示し、データに基づいたレコメンド機能により児童生徒の得意なことや苦手なことに沿った教材を提案することで、「“自分だけのオリジナル”な学び」を実現する。
RSTとマイアセス等の教育プラットフォームサービスがAPI連携することにより、学校・教育委員会等がRSTの受検を申込む際の手続き、および受検する児童生徒のID入力作業が軽減されることが期待される。また、RSTの受検結果をダッシュボードでわかりやすく表示し、他の学力調査等と容易に比較できるようなる。これによって、指導方法の検証や、読解力と他の能力との相関などの分析も可能となり、教育データの利活用を通じた、個別最適な学びの推進と、日本の教育の質的向上に寄与するものと考えられる。
両者は今後、2024年度のサービス開始をめざして協議を進め、適切な時期に改めて情報を提供する予定。
※1 Application Programming Interfaceの略称で、異なるソフトウェアどうしをつなぐ窓口となる機能。
※2 Computer Based Testingの略称で、コンピュータを使った試験方式。
※3 Paper Based Testingの略称で、紙を使った従来の試験方式。
一般社団法人教育のための科学研究所