コニカミノルタは、学校教育向けソリューション「tomoLinks(トモリンクス)」の正式販売を開始した。全国の教育機関や教育事業者に向けて、まずは「学習支援」サービスの販売を開始し、「先生×AIアシスト」と「授業診断」サービスは、プレビューリリースとしての先行販売となる。「先生×AIアシスト」「授業診断」は、今夏から一般提供開始を予定している。
tomoLinksは2019年から開発をはじめ、教育現場のフィードバックを製品に反映しながら開発を進めてきたクラウド型学習支援サービスで、以下の3つのサービスで構成されている。これらのサービスを学校の教育プラットフォームとして導入することで、デジタル端末だけでなく教育データの効果的な活用が可能になり、子どもたち一人ひとりの力を最大限に引き出す個別教育の実現を推進する。
(1)「学習支援」サービス
教員、児童生徒、保護者が直観的に操作できるわかりやすいUI(ユーザーインターフェース)で、ICTを使った双方向授業や遠隔授業、連絡帳などの学校と家庭の両方の学習活動をオールインワンで実現できる。
(2)「先生×AIアシスト」サービス
子どもたちの教育データを元に一人ひとりの学力定着度合いをAIが分析し、それぞれの児童生徒に合った学びの学習方法を提案する。
(3)「授業診断」サービス
授業の様子をAI分析し、児童生徒の発言量や挙手、視線などをデータ化。さらに教員や実習生の板書や机間指導などを分析し、児童生徒の学力と教員などの指導力の両方の成長を支援する。
tomoLinksの「先生×AIアシスト」の分析AIは、国内で初めて教材に依存せずに、学校が所持している既存の学力データや、新たにデジタルで提供される様々な企業の教材の学力データなどを分析することが可能。
先行導入している大阪府箕面市の小中学校では、児童生徒約13,000人の10年分の学力テストや、生活状況調査から把握できる環境データを元に、独自の分析AIモデルを作成して教育データの活用を実践した結果、60%以上の児童生徒の学力が向上し、デジタル学習教材に取り組む児童生徒が5.5倍に増えたという。
現在同社では、箕面市以外の複数の自治体への提供準備を開始しており、地域の実情に合わせた教育データ分析AIの提供を進めている。さらに、「先生×AIアシスト」は教育事業者に対しても提供を開始する。事業者の教材と併せて利用することで、従来の教材のAI化が可能になるという。教材としてNHK for Schoolの動画コンテンツをはじめ、以下の教育事業者と連携し、今後さらに教材を拡大する。
tomoLinksは、文部科学省から示された学習ログデータの取扱い方針にいち早く対応。システム開発を含む商業的な利用を目的とした個人データの利用を行わず、教育委員会や家庭からの個人データの削除や解約時のデータ破棄などの依頼に対応する、データの所有者である生徒児童や保護者にとって安心安全なデータ運用を実現した。
この運用は、文部科学省CBTシステム「MEXCBT」で行われる全国学力調査の教育データに対しても行うため、すべての児童生徒や保護者にデータ利用の同意を得る必要のある学力調査での利用にも適している。
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