宮崎県は4月から、県内の全児童生徒約12万人を対象に、いじめや不登校などの相談ができる窓口「宮崎県子どもSNS相談」を開設した。県「SNSを活用した相談事業」の一環で、事業を受託したアディッシュプラスが「SNS相談・通報サービス」を提供する。
SNSを通じて、いじめや不登校など児童生徒が抱える悩みを投稿する仕組みを構築し、受け付けた相談内容を県教育委員会などに報告することで、生徒の悩みの早期発見・早期対応につなげることを目指す。
同社では、子供たちが健全にインターネットを活用できる環境を目指し、ネットいじめ対策やインターネットリテラシー講演などを提供するスクールガーディアン事業を展開している。
今回提供する「SNS相談・通報サービス」は、LINEやウェブページを使い、双方向の相談に加え、いじめの目撃情報など一方向の連絡も受け付ける。相談者の反応に応じて、ボットが適宜選択肢を提示。相談者の属性聴取、学校への連絡内容の受け付け、緊急電話窓口の案内など、用途に応じて自動で応答する。
児童生徒の選択により、自動応答から有人の相談対応(双方向)への切り替えが可能で、児童生徒の悩みに公認心理士や社会福祉士などの有資格者がチャットで対応する。
一方向連絡窓口では、24時間365日、児童生徒からの連絡を受け付ける。緊急性の高い内容は、迅速に自治体担当者へ報告。一方向連絡に加え双方向相談においても、生命の危険が感じられるような内容は、緊急時対応の方針に則り、関係者へ連絡する体制を構築している。
児童生徒にとって身近なSNSを活用することで、これまでいじめや悩みの相談をちゅうちょしていた生徒の心理的ハードルを下げることができる。いじめを受けている当事者だけでなく、目撃した第三者からの匿名連絡も受け付けているため、声をあげやすい環境にすることで、いじめの早期発見・早期対応につなげる。