JMCは3月16日、東京税理士会の租税教育推進部委員を対象に、学校ICTに関する研修・授業体験会を実施した。同社の坂本憲志社長と社員1人が講師を務めた。
東京税理士会では、社会貢献事業の一環として小・中学生~社会人を対象とした租税教育を2004年から実施、教育委員会等と連携して租税教育を行う講師を派遣している。本研修・体験会は、「学校の現状を理解してもらい、GIGAスクール構想で整備された学校のICT環境を活用できるようにする」ことを目的に実施し、当日は租税教育推進部委員の10人が参加した。
坂本氏が講師を務めた研修では、学校を取り巻く環境の変化やこれからの教育のあり方について説明。GIGAスクール構想で多くの学校に導入された ChromebookTM の特長や活用方法、授業の様子について同社の事例を用いて紹介し、1人1台端末とクラウドの活用が進んでいることを伝えた。
また、学校のイントラネット構成図を提示しながら、自治体の調達方法によってICT環境の整備状況やネットワーク構成、セキュリティ対策が異なることを挙げ、租税教育の出前授業で学校のICT環境を活用する際には、授業先のICT環境を事前に確認し、活用方法や授業の進め方を検討することが重要だと提案した。
小学校の「社会」と中学校の「歴史」の単元を題材に、授業体験を実施。参加者は、二人一組で Chromebook を操作しながら、Google フォームで理解度テストに回答したり、教材の画像について Google JamboardTM で意見交換したりと、実際に学校の授業で行われている学習活動に取り組んだ。
授業体験中には、各ツールの操作感などに関して「複数人の回答状況が見られますか」や「講師側の画面はどのようになっていますか」など、講師側の視点を想定した質問が多くあがった。
租税教育は、小・中・高等学校の各学習指導要領をもとに実施しており、将来を担う子供たちや租税教育を行う教員等に対して、租税の役割や申告納税制度の意義、納税者の権利・義務を正しく理解してもらい、社会の構成員として、社会のあり方を主体的に考える納税者意識を養うことを目的としている。
2010年には、租税教育は社会全体で取り組むべきものとして、官民・関係省庁、民間団体が連携し、「租税教育の充実」に取り組むことが閣議決定された。そうした背景から教育機会の充実が進む一方、コロナ禍の影響もあり、学校に講師を招いた租税教室等の開催が減少しており、ICTを活用した租税教育の推進について検討が進められている。