ネットアドバンスが提供する中高生向け総合学習支援ツール「ジャパンナレッジSchool」に、4月より新コンテンツ「日本/世界学習地図ライブラリ 主題図版」(以下、学習地図主題図版)が搭載された。
「学習地図主題図版」では、地理の教科書に載っている定番主題図はもちろん、主題図から特定の情報を取り出し、別の新しい統計や環境データと自由に組み合わせることができる。
地理の教科書には、特定のテーマをわかりやすく説明するために「主題図」と呼ばれる地図が使われている。下図は「ケッペンの気候区分図」と呼ばれる典型的な主題図の一つだ。
こうした主題図は、特定のテーマを生徒に理解させるには有効だが、冊子の教科書では紙幅の制限があるので、1枚の地図にたくさんの情報を盛り込む傾向がある。たとえば、上記の気候区分図には、AfからETまで13ある気候区分が1枚の地図で表現されている。
「学習地図主題図版」は、この主題図をデジタル化して使いやすくした。既存の主題図を、地図を構成する要素(=レイヤー)に分解。上記の主題図の例なら、温帯レイヤー(Cs、Cw、Cfa、Cfb)だけを選んで地図上に表示することができ、どの地域が温帯に含まれるのかわかりやすく表現できる。
さらに、各主題図をバラバラに分解したレイヤーを、その出自に関わらず、主題図をまたいで新しい組み合わせで地図を作ることも可能だ。
上図では、小麦生産の分布は、主に温帯(Cfb、Cs)に広がっている。しかし、よく見ると、それ以外の冷帯湿潤気候(Df)の地域でも栽培しているのがわかる。
なぜ、わざわざ寒いところで小麦を作っているのか――。授業の展開としては、先の小さな「なぜ」をきっかけに、気候と小麦の種類の関係(特に、季節による降雨量の変化との関係や他の栽培植物との対比)、栽培に適した土壌などに生徒の関心を広げていくことができる。
植物の生態、土壌、栽培の歴史や方法、経済的な要因などについて、生徒たちが自分で仮説をたてて調査をし、「学習地図主題図版」を活用して新しい主題図を作ることで、「主体的・対話的で深い学び」が実現できる。
コンテンツ提供:平凡社地図出版