(一社)日本3D教育協会は、最新の3D技術を活用した海洋生物の研究を通じて、物事を深く追求できる人材を育成する「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト」の二期生 研究発表会を3月29日(水)に開催。このイベントは日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として行われたもので、関東圏に住む9人の中学生が海洋生物をテーマに定め、8か月にわたって調べてきた成果を発表した。
■海洋の専門家が中学生の研究をアドバイス
「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト」は、最新の3D技術を活用した海洋生物の研究を通じて、将来様々な分野で活躍できるよう、物事を深く追求できる人材育成を目的としたプロジェクト。第二期となる2022年度は9人の中学生研究生が、3Dの専門家である吉本大輝氏を中心に、海洋の専門家たちからアドバイスを受けながら海洋生物の研究を重ねてきた。
■合宿によるフィールドワークやコククジラの掘り起こしなどを体験
2022年度は新型コロナにより初年度はできなかった合宿でのフィールドワークが実現。また、クラウドファンディングにより実現した、7年前に千葉県南房総市の海岸に漂着したコククジラの掘り起こしなど、リアルな学びの場数を踏むことで、より実践的な海洋研究に取り組むことができた。
■海洋生物の研究に3Dモデリングを活用
二期生の中学生は3Ⅾモデリングを基礎から実践形式までを集中して学び、海洋生物の研究として活用。今回の発表会では、最終成果物として出力した自身の3D作品を手に、以下の9人が研究発表会に臨んだ。長田健吾さん(ハコフグ)、久保田莉央さん(カサゴ)、小柳遥雅さん(ラブカ)、齊藤なつみさん(カブトガニ)、杉山紗代さん(エラブウミヘビ)、関根秀真さん(サンゴ)、長谷川更紗さん(ヒカリキンメダイ)、渕碧仁さん(オウムガイ)、山口修平さん(オニダルマオコゼ)。※カッコ内は研究対象
■精密に海洋生物を再現した3D作品が完成
主任講師でプロデューサーの吉本大輝氏は「生活のありとあらゆる場面で3D技術は使われているにも関わらず、3Dを学ぶ機会はまだまだ少ない。3D技術者の需要は間違いなく高まってくる。中学生のうちから3Dを学ぶことで、今後の海洋研究や開発にも活かせると考えている」とあいさつ。中学生研究生の3D作品は展示スペースに飾られ、来場者は手に取って精密に再現された作品に見入っていた。
<日本財団 常務理事 海野光行氏 メッセージ>
「みなさんのプレゼンテーションを見て、将来それぞれの海洋生物の第一人者を見つけたような気持ちになりました。未来の日本の海はみなさんに任せられると思いました。これから、将来の道を選択する機会があると思いますが、がむしゃらになれる道、自分の思いに嘘をつかない道を選んでいただけたらと思います。三期生は全国に拡大しようと考えています。興味を持ったことにはとことん打ち込める生徒に集まってほしいですね。最後に、みなさんへ伝えたいことは、これからは答えのない時代になりますが、鋭い疑問を持っている人になってほしいと思います」
【海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト 三期生募集】
募集期間:2023年4月1日~6月30日
募集条件:全国の中学生(9〜12名)
※6月下旬〜7月上旬にオンラインでの面接が可能な人
※オンラインと対面での実習授業、全13回の全てに参加できる人
応募方法:以下のサイトからエントリーシートをダウンロードし、郵送かメールで応募
郵送先:〒651-0068 兵庫県神戸市中央区旗塚1丁目1-20長坂ハイツ1階北
一般社団法人日本3D教育協会 吉本大輝 宛
メール:kaiyo-3d@y-artfactory.jp