東京都立文京盲学校で3月9日、高等部普通科3年生を対象に、ハンドクリーム「SAHNE(ザーネ)」ブランドを展開するエーザイによる、ハンドケアについての特別授業が実施された。
特別授業に参加したのは普通科に在籍する3年生14名。卒業後の進路は、同校の専攻科(職業科)や進学、就職、福祉就労等さまざま。特に専攻科に進む生徒は、将来的にあん摩マッサージ指圧師やはり師、きゅう師を目指していて、施術対象の方に触れる機会が増えていく。
授業ではザーネブランドマネージャーより、ハンドケアの大切さをより深く知るためのクイズや簡単にできるハンドケア方法、さらにこれから自立した生活を目指していく上で、一人で買い物をする際に参考にしてもらうための自分にあったハンドクリーム選びのポイント等についてレクチャーが行われた。
①「知識編」――なぜハンドケアが大切なのかクイズで理解を深める
「手を温めた方が手荒れしにくい」「手が荒れてると細菌が付着しやすくなってしまう」「手のひらには皮脂腺がないため手洗い・消毒などと併せクリームなどを使ってケアすることが大切」といったポイントをクイズ形式で解説。
多くの生徒が進んで挙手して回答、その理由についても各々が自身の実体験等を踏まえて話した。
②色んなタイプのハンドケア製品があることを知り、自分が好きなものを選ぶ体験
ドラッグストアやバラエティショップ等で販売されているさまざまなタイプのハンドケア製品を紹介し、実際に手に取って触りながら、テクスチャーや香りなどの違いを知り、一人ひとり好みのハンドケア製品を選んだ。
③「実践編」――各自が選んだ製品を使って実際にハンドケアを体験
レクチャーはザーネブランドマネージャーからの解説と、同社スタッフが生徒数名のグループに1名ずつ入り各自の手に触れながら進行。
最初に右手を使って左手をケア、次に左手を使って右手をケアしたところ、左手のケアが終わったところで、「(ハンドケアをしていない方の手とは)手触りが全然違う!」といった驚きの声があがるなど、にぎやかな雰囲気に包まれた授業となった。
授業を終えた後、生徒からは「私たちは手を使う機会が多いので、ハンドケアが大切な理由などの知識も身に付けることができて良かった。家に帰ったら家族にも教えてあげたい」「今日の授業では、今まで使ったことのないタイプの商品にも触れることができて、自分にあったものを知ることができた」などといった感想が寄せられた。
この3年生は、入学を前に始まった緊急事態宣言による登校見合わせが続き、登校できるようになったのは6月でした。楽しみにしていた高校生活は、〝密”を避け、ソーシャルディスタンスを強いられ、ほとんどの行事や活動は中止、または制限されました。行事や部活動を通して友達や他学年の人と過ごすことで得られる経験や関係を深めることも難しい高校生活でした。
今回のハンドケア授業では、様々なハンドケア製品を触り比べたり、自分以外の手に触れてコミュニケーションを深めたりする、盲学校が本来大切にしていた「触って」確かめる活動が中心でした。自分で触って実感して納得した時の生徒の明るい表情が、この授業の成功を物語っていました。
東京都立文京盲学校