愛知県海陽町にある私立中高一貫校である海陽学園では、校内の生徒・教職員約600名を対象に学園内の売店において、2022年10月から顔認証決済サービスを導入している。システムを提供したNECではその導入事例を公開している。
売店での顔認証決済サービス利用の様子
同校では開校当初から、学園内の売店で決済用ICカードを運用していたが、カードの紛失・破損や機器の老朽化、キャッシュレスシステムの運用・維持費の負担などさまざまな課題が出てきていた。
それらの課題を解決するために同校は、先進技術に触れる環境構築、プリペイドカードに代わる新しい決済手段の提供、そして、開発費、運用コストの低減を同時に実現できる、NECの顔認証決済サービスの導入に着手した。
今回同校が導入した「顔認証決済サービス」は、世界トップクラスの認証精度を誇るNECの「顔認証技術」を用いて、安全性と利便性を兼ね備えた手ぶら決済が実現するサービス。
マスクのままでも認証可能で顔をカメラに向けるだけで決済が完了するので、支払いがスムーズ。混雑時や両手が使えない時もお財布やスマホを取り出さずに決済ができ、さらになりすましや紛失リスクも低減。現金やカードの受け渡しが発生しないため、衛生面でも安心して決済できる。
運用上の工夫としては、生徒と保護者には、顔認証決済導入の目的と用途、利用方法などを詳細に説明し理解を得た。また、未成年ということもあり、生徒の利用開始前には保護者の同意を必須とした。決済情報の登録手続きは、夏休み中に保護者と一緒に実施するように案内し、売店での購入情報は保護者のメールアドレスを登録することによりリアルタイムに保護者に通知され子供たちの学校での様子を知ることができるようにした。
顔認証決済サービスの実現メリットは3種類ある。
◎生徒にとってのメリット
◎保護者にとってのメリット
◎学校にとってのメリット
導入後、生徒たちは「顔をかざすだけで買い物ができる」という新しい体験に興味津々で、最先端の技術に触れることが良い刺激になっている様子。今後同校では、顔認証サービス活用の場を拡大することも考えているという。