東京都立産業技術高等専門学校とキヤノンマーケティングジャパングループは2月20日、「先端ICT人材育成に関する産学連携協定」を締結。サイバーセキュリティ人材育成の取り組みを開始する。同社がこれまで事業で培ってきた高い技術と知見をもとにした支援を行う事で、社会で活躍できる実践的な力を持った人材の育成と輩出に貢献する。
昨今、多くの企業や組織がDXを推進することでデジタル化が進み、サイバーセキュリティの重要性はより一層の高まりをみせている。しかし、それを担うセキュリティ人材が不足していることから、人材育成は喫緊の課題となっている。
今回の協定に基づき両者は、人材育成のスキーム構築や学生のキャリア形成などに活かす取り組みを開始する。具体的には、同社の「サイバーセキュリティラボ」(※)が主体となり、情報セキュリティ技術者やICTアーキテクト、情報アーキテクトなどの育成を中心に実施する。(※)マルウェア解析やサイバーセキュリティ関連技術の研究、調査を行う専門組織
※1. 中学生を対象とした情報セキュリティを学ぶ体験型勉強会。2016年度から実施。
※2. 中学生対象のICTインフラを理解してもらうことを目的とした講座。2018年度から実施。
キヤノンMJグループはセキュリティベンダーとして、「サイバーセキュリティラボ」を中核に据え、マルウェア解析やサイバーセキュリティ関連技術の研究、調査を実施している。また外部団体活動への参画や、教育機関との共同研究、人材育成をはじめとする産学連携活動を意欲的に行っている。
2021年には専門学校において、産学連携による実践型の人材育成を目的とした特別講義および企業プロジェクトを実施し、サイバー攻撃事例や統計データを用いた講義や学生の調査結果に対する実務者視点からのレビューなどを行った。
都立産技高専は、2021年4月に先端ICT人材の育成に特化した情報システム工学コースを開設。日々進化するICTに対応した実践的な教育プログラムの実施に向けて、特定のICT分野における高度な技術や知見を持つ企業との協同関係の強化を進めている。
今回の協定締結に先立ち、2022年10月に都立産技高専の情報セキュリティ技術者育成プログラム3年生13名と教員2名が「サイバーセキュリティラボ」による特別講義を受講。「体感!サイバーセキュリティ」と題された、サイバーセキュリティの脅威やセキュリティアナリストの業務内容の講話に加え、参加者同士が得点を競い合いながらセキュリティ技術を学ぶコンテスト「CTF(Capture The Flag)」を行った。