一社・日本デジタルトランスフォーメーション推進協会(JDX)は2月16日、佐賀県佐賀市のデジタルサービス創出支援事業の一環で、佐賀市の職員を対象に自治体DX推進のための考え方やスキルを身につける研修を1月から2月にかけて2回実施したと発表。
佐賀市ではこれまで庁内業務の効率化や、デジタル技術を活用した住民サービス向上など、他の自治体に先駆けてデジタル化を推進し、一定の成果をあげている。
新しい技術を導入するだけでなく、昨今のデジタル時代にあった制度や政策、組織の変革に取り組み、新しい価値創出にチャレンジすべく2022年3月に佐賀市DX推進方針を策定し、「“暮らしやすさ” “過ごしやすさ” を実感できる佐賀市 ~より便利、より簡単、より早く~」を掲げ、佐賀市版DXを推し進めている。
2022年度は「各部署が抱える課題の解決」や「市民の利便性向上」につながるテーマを各部署が自発的に提案、実施できる気運醸成と財政的、組織的な仕組み作りに取り組んでいる。今回JDXが行ったDX研修は、佐賀市役所の各部署で選出されたDX推進員と希望者を対象に、これらの取り組みの一環として実施された。
実施内容は、各部署でDXを推進するために必要な、時間を生み出すタイムマネジメントの考え方や、課題の根本原因から何を解決すべきかを考えるアプローチの方法、デジタルの恩恵を受けるために必要な思考法についてなど。1回目はDX推進のためのタイムマネジメント、2回目はDXの思考法と周囲を巻き込むコミュニケーションという内容で行われた。
全2回の研修の理解度および満足度は90%を越え、受講者からは、「今まで意識してこなかったような考え方や、実際にどういう取り組みが他の自治体で行われているのかを知ることができ、未来への可能性というものを感じることができた」などの感想が寄せられた。
<佐賀市企画調整部DX推進室 木原室長のコメント>
今回の研修を受講し、DX推進について改めて考えるきっかけやヒントになったと思う。DXの推進には、まずDXを含めた業務改善に取り組む心と時間のゆとりを生み出すための時間の使い方や、DXは既存事業をただデジタルに置き換えではなく、未来志向かつデジタル前提で再定義しようとするマインドセットが重要。そのため、すそ野を広く、繰り返し実施していくことで根付かせていくとともに、職員が考える時間や機会が確保できるためのデジタルリソースの導入等サポートにも注力したい。
JDXでは、自治体職員を対象としたDX教育の提供を通じて、職員一人ひとりのデジタルリテラシーの底上げや、DX人材育成に係るプログラムの組み立てなど、リスキリング全般の支援や、専門家派遣等による自治体DXの支援を強化していくとしている。