神奈川工科大学は2月8日、学習者の理解度向上を図る音読を採用する新しいプログラミング学習システムを開発したと発表。
同学情報学部の上田麻理准教授らは、『音読』をプログラミング学習に取り入れた、新しいプログラミング学習システムを開発した。学習者がテキストや入力するプログラムを音読し、その自身の発声音を学習者が聞くことにより、学習効果向上を図るものだという。
現在のプログラミング学習では、学習者がテキスト等を黙読する方法が一般的だが、特に学習初心者ではプログラミング上重要な言語や記号等をスムーズに理解できず、「嫌気をさしてしまう」こともあると指摘されている。
そこで、上田准教授らは神経科学や教育分野等で有効性が認められている『音読』をプログラミング学習に適用試行したところ、学習効果が向上することを確認。音読の「見る・話す・聞く」過程でより多くの感覚が働くことが、プログラミング学習でも機能した、と評価している。
この試行結果をふまえてシステム化し、実際のプログラミング学習の場で利用したところ、多くの学習者が「初心者でも楽しく学べた」「より深く理解できた」と好評価であったという。『音読』によって学習者は従来以上の満足感を持てるようになり、”初心者の嫌気”も解消できるのでは、としている。
今後、学習効果の自動採点化や学習者個々の特徴をふまえた評価実現など、本成果のより高精度化を目指して研究開発を続けるという。
なお、本研究成果は2023年1月2日発行の日本音響学会誌・英語版(Acoustical Science and Technology 2023 Volume 44 Issue 1)にて発表されている。