鹿児島県大崎町では、一社・大崎町SDGs推進協議会が2022年5月から2023年1月までに大崎町教育委員会と、町内の教員らと共に開発した環境学習ガイドブックが完成。4月からの実用化に向け、2月8日、大崎町立菱田小学校にて授業を実施した。
本冊子は、焼却炉がなくリサイクル率日本一を14回達成した大崎町を舞台に、地域に暮らす子供たちの「大崎リサイクルシステム」に対する理解を深め、環境問題をはじめとした社会課題の解決に寄与する教育を行う人材を、町内外で育成することを目的としている。20年以上続く分別・リサイクルの取り組みや、歴史を学び体験できる内容だ。
教育現場で活用することを想定した、環境教育の体験授業例を盛り込んでおり、各学校の方針に合わせて、環境や地域について学ぶ授業を取り入れる際の参考にできるようになっている。
2月8日の菱田小学校での授業には、5年生14人が参加。生ごみは燃えるのか実験と、ゲストティーチャーとの対話が行われた。
生ごみが燃えるかどうかを学ぶ実験は校庭で実施。キャベツやからあげを紙で包み、実際に燃やしながら、水分量の多い生ごみが燃えにくい事実を目の当たりにして多数の児童が驚いていた。
また、ゲストティーチャーの松元課長(大崎町役場住民環境課)の話をうなずきながら聞き、生ごみを燃やさず堆肥化することで二酸化炭素の排出量が約40%削減されるというデータには、歓声も上がった。
20年以上リサイクルを続けてきた背景を学んだことで、先人たちの取り組みや選択が自分たちの現在につながっていることを実感する授業となった。授業の終わりには「これからも分別をがんばりたい」「安心安全に大崎町に暮らし続けるために、リサイクルがどうして大切なのかが分かった」と児童らは話していた。