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キッズページなどを通じて特許、意匠、商標についての理解を図る~特許庁

2023年2月10日

特許庁主催によるセミナーが2月7日に開催され、「創造力・想像力」を高めることを目的とした「とっきょちょうキッズページ」など子供事業の取組が紹介された、また、子供による特許出願は年30件程度となっているが子供の特許事例も紹介された。

 


■子供からも約30件の特許出願が寄せられる

出願年別で見る特許出願件数・審査請求率 (出典)特許行政年次報告書2022年版より ※審査請求率は審査請求件数÷特許出願件数にて算出

日本の特許出願件数は30万件を超える水準で推移してきたが、2021年は28.9万件となった。また、審査請求件数は24万件前後となり横ばいで推移している。一方、日本国特許庁を受理官庁とした特許協力条約に基づく国際出願(PCT国際出願)の件数は増加傾向にあり、2021年は4.9万件と依然として高い水準を維持している。2021年の特許出願件数は289,200件だが、このうち子供の出願は約30件程度となっている。30件程度の出願の中から登録された特許は20件程度となる。

 

 

 

 

 


<子供による特許事例>※
学年は2022年度現在


【環境に優しい「繰り返し使えるストロー」】防府市立大道小学校5年 光浦更紗さん

発明のきっかけは光浦さんが小学校3年生のとき、図書館の本でウミガメの鼻にストローが刺さっている写真などを見て、プラスチックが海の生物に悪影響を与えていると知ったことだった。母親に自由研究の相談をすると「プラスチックストローに代わるもの」というアイディアをもらった。

ストローが繰り返し使われないのは中が洗いにくいためだと考え、広げて洗えるシートでストローを作成。長方形のシートを斜めに巻くと、封止箇所が中央に来て飲み物に浸かってしまうためシートを三角形状にして巻き、封止箇所をストロー上部に寄せた。

五角形のシートをクルクル巻くとストローになるところがポイント。使った後は広げて洗えるなど衛生面にも配慮している。素材はプラスチックだが、繰り返し使えるので環境に与える影響を減らすことができる。また巻き方で太さを変えることができ、太さの異なるストローを何種類も用意する必要がなく環境に優しいのが特徴。

光浦さんの自由研究を父親が引き継ぎ、自力で2019年に特許を出願。2021年に特許を取得し、ストローを商品化した。

 


【洗濯バサミまとめる君】 平塚市立土沢中学校2年 守田貫一郎さん

洗濯物を干すときは、洗濯バサミを収納ロープから外して洗濯物を挟んで止め、取り込むときは洗濯バサミを外して11つ収納ロープに挟んで戻さなければならない。守田さんは小学5年生の夏休みの宿題で洗濯バサミの付け外しの手間を減らせる作品を作ろうと考えた。

夏休みが残り3日になってから作品製作を始めたため時間がなかったが、結果的にシンプルな構造で実用化しやすいものになった。洗濯バサミの向きが必ず揃うようにするため、仕切り版の角度を工夫した。

「洗濯バサミまとめる君」は箱の中心に立てた竹ひごに、洗濯バサミの穴を通して落とすと、洗濯バサミの持ち手が手前に来るように揃う仕組みとなっている。洗濯バサミには挟む部分の上に穴が空いていることに着目。この穴を竹ひごに通して落とすだけなら簡単に収納できる。どの方向から洗濯バサミを落としても向きが揃うよう箱の中に八の字型の仕切り版を設置。竹ひごに通した洗濯バサミは仕切り版の壁にぶつかりながら落ち、最後は持ち手が手前に来るように揃うようになっている。

この作品は「平塚市児童生徒創意くふう展」で最優秀賞である市長賞を受賞。審査員の弁理士に特許出願を勧められ、仕切り版の上部を斜めにするなどのブラッシュアップをして特許を出願し、無事特許を取得することができた。守田さんは物を見るときに、改善できる点がないかを常に考えるようになったという。

 


<特許庁の子供向けイベント>


【こども霞が関見学デー】

こども霞が関見学デーは各府省庁等が連携し、子供たちに向けて職場見学などを行うことで、子供たちが夏休みに広く社会を知る体験活動の機会とし、親子のふれあいを深めることを目的とする取組。特許庁では子供たちの創造性を刺激する「ジュニアイノベーションフェス」としてイベントの開催やコンテンツ公開を実施。2019年度まで特許庁や国立科学博物館で実地開催され1000組以上が参加。2021年度と2022年度はオンラインで開催され、2022年度は2日間で181名が参加した。

 


<特許庁の子供向けコンテンツ>


【とっきょちょうキッズページ】

とっきょちょうキッズページ

とっきょちょうキッズページでは特許、意匠、商標について子供にも分かりやすく解説。「発明、デザイン、商標 まるわかり」のコーナーでは、発明、デザイン、商標についえ見開きごとにテーマがあり、マンガ、クイズ、テキストで構成。発明、デザイン、商標が身近にあることに気づくところからはじまり、それらがどのように役やにたっているかを知り、権利を守る方法を理解する流れになっている。

「この音、知っている? 音も商標になるよ」のコーナーでは、実際の音を聞いて、テレビやお店で何気なく聞いたことがある音も商標が登録されていることがわかる。「カッコいいデザイン!使いやすいデザイン!意匠についてもっと知りたい」のコーナーでは自動車や家電などのデザインについて、考えたデザイナーの権利を守るため意匠が設けられていることを知る。

「ジュニアイノベーションフェス まわる展」のコーナーでは回転の歴史を動画で見ることができるほか、回転が身近なもののどこに活用されているかを紹介。自然の中にひそんでいる回転なども動画で紹介されている。「ひらめく回転博物館」のコーナーでは回転を利用していた「手回し計算機」や、電気を使わずに回転の力で録音や再生ができた「蘇言機」が紹介されている。

 


<特許庁の青少年向けコンテンツ>

発明の日ポスター


【授業で使える知財創造教育コンテンツ】

2022年度から運用が開始された高等学校の新学習指導要領の解説では、知的財産に関する記述が増加した。特許庁は生徒自身が課題を発見し解決していくための資質・能力の向上のため、高等学校の「総合的な探究の時間」でそのまま使える教材コンテンツ集「SDGsと価値創造~探究の入口~(授業で使える知財創造教育コンテンツ)」を作成。特許庁ホームページおよび経済産業省「未来の教室」が運営するSTEAMライブラリーで公表している。

 

パネル展示「イノベーションに寄与した日本の発明」】

特許庁では2022413日から、パネル展示「イノベーションに寄与した日本の発明」、を特許庁庁舎1階で行っている。知財初心者や将来の産業を支える子供や学生などの若年層にもイノベーション創出及び知的財産制度の重要性を理解できる内容となっている。

 


【新YouTubeサブチャンネル「JPOちゅーぶ」】

YouTubeサブチャンネルの「JPOちゅーぶ」は、知財についてよく分からない知らないという人に向けて、知財の魅力や重要性をユーモアあふれる内容で分かりやすく伝える動画チャンネル。農林水産省YouTubeチャンネルBUZZ MAFFとのコラボ企画「特許庁にバズマフ襲来!? 知財愛を白石さん・野田さんにぶつけてみた!」、意匠の審査室にBUZZ MAFFが潜入する「デザインの特許⁉ 特許庁にBUZZ MAFFが再びやって来た!!」、豊田佐吉(木製人力織機)、御木本幸吉(養殖真珠)、鈴木梅太郎(ビタミンB1)の3名について、その功績や発明に至ったエピソードを現職の特許審査官より紹介する「ここがすごいぞ!日本の十大発明家」などの動画が公開されている。

 


<パテントコンテスト・デザインパテントコンテスト>

パテントコンテスト及びデザインパテントコンテストは、特許庁・INPIT・文部科学省・日本弁理士会が共催。高校生、高等専門学校生、大学生、専修学校生及び大学校生が、自ら考え出した発明やデザインを応募し、優秀な応募作品を表彰するもの。このコンテストを通じて、生徒や学生等の知的財産マインドを育てるとともに、知的財産権制度の理解を促進することを目的としている。優秀賞として表彰された応募作品に対しては、出願から権利取得までの過程において支援を実施する。

2022年度はパテントコンテストに521件、デザインパテントコンテストに639件の応募が寄せられた。その中からパテントコンテストは30件、デザインパテントコンテストは31件が受賞した。最も優秀なものに対して贈られる特許庁長官賞は、パテントコンテストは日本航空高等学校の西田悠人さん「錠剤一斉撒き器」、デザインパテントコンテストは玉川大学の三尾雅人さん「傘の柄ホルダー」が受賞した。表彰式は313日に神田スクエア スクエアホール(予定)で行われる。

 

特許庁

とっきょちょうキッズページ

YouTubeサブチャンネル「JPOちゅーぶ」

 

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