凸版印刷は、自然災害の対策として、児童・生徒の防災レベルを引き上げるデジタル教材「デジ防災」を開発、1月より提供を開始した。なお、提供開始に先立ち、防災教育の推進や教育のDXに取り組む香川県三豊市の小中学校全26校に先行導入している。
価格は、在校生100人未満の学校は10万円/年、在校生100人以上は15万円/年となっている。
近年、自然災害が激甚化・頻発化の傾向にあり、学校での防災教育の拡充が求められている。現在、防災教育のほとんどは、学校内での避難訓練が主だが、コロナ禍においては子供たちが集まって避難訓練することが難しくなっている。
現在、小中学校では1人1台端末が配置され、学校教育の現場でのICT環境の整備が進んでいるが、オンラインでの防災教育の実施には、「学校のカリキュラムが忙しくて対応できない」「実効的な取り組みに結びついていない」、「地域・学校ごとに取り組み内容や意識に格差がある」などの課題があった。
これまで同社では、オンライン津波避難訓練システム「リアルハザードビューア」や自治体向け住民見守りサービス「あんしんライト」などの、防災関連のサービス開発・提供を行ってきており、そこで培った知見を活かし、上記の課題解決のため、デジタルデバイス上で児童・生徒が防災を学習できる「デジ防災」を開発した。
デジタルデバイスを使用し1回10~15分の短時間で決められた内容を学習できるため、忙しい学校カリキュラムを削ることなく、密にならずに地域や学校による防災教育の格差を是正することができる。また、児童・生徒の回答結果を可視化するシステムを搭載しているので、実際に学習内容が身についているかどうか確認することができる。
◎1回約10分で防災の知識を段階的に深められる専門家監修の全80コンテンツ
防災教育学会会長 諏訪 清二氏をはじめとする防災教育の専門家監修のもと、小学1年生から中学2年生まで、段階を踏んで着実に防災知識を習得できるよう、クイズ形式で各学年10コンテンツ、計80コンテンツを用意。1回の所要時間は10~15分。忙しい学校カリキュラムを削ることなく、継続的に体系立てて学習することができる。
◎児童・生徒の防災習熟レベルを可視化
児童・生徒の学習結果のデータを蓄積し、クラス単位・学校単位・地域単位での防災レベルを管理することができ、地域の防災計画に役立てることができる。また、年度毎の結果推移やウィークポイントを可視化することで、防災知識の偏りをなくす。
◎環境に依存しない簡単な導入方法と格差のない均一な学習
ブラウザを使用するため、導入端末に関わらず均一な学習が可能。また、教職員用の指導手引きシステムを搭載しているため、正しい防災知識を児童・生徒に伝えることができ、教職員の授業準備の負担も軽減できる。