京都市の公立学校は保護者間の連絡手段をデジタル化し、教職員と保護者双方の利便性向上と一層の負担軽減を図るため「京都市と理想科学工業株式会社との連携に関する協定書」を1月30日(月)に締結した。理想科学工業は2023年度から全ての京都市立小学校・中学校・小中学校(義務教育学校)・総合支援学校の約230校を対象に学校と保護者をつなぐ連絡アプリ「スクリレ」サービスの無償提供を開始する。
■学校と保護者をつなぐサービスを展開
サービスの無償提供を開始する「スクリレ」は学校と保護者をつなぐデジタル連絡ツール。主なサービスは、①学校単位の契約により保護者のスマートフォンに教員が配布する「お便り」を届けることができる「スクリレお便り」、②出欠や健康観察の報告をデジタルで可能にする「スクリレオプション」、③アプリへの広告費の一部を学校に還元する「スクリレポイント」の3つとなる。
■2022年2学期からモデル校で試験導入を開始
「スクリレ」最大の特長である「スクリレポイント」は、保護者が広告を閲覧すると学校にポイントが貯まり、運動用具や書籍など学校に必要な教育備品と交換できる。京都市は全国でも高い水準の子育てや教育サービスを実施・維持しており、2022年度の2学期から「スクリレ」を含む複数のアプリについてモデル校を設け試行導入を実施。比較検討を行った結果、「スクリレ」の導入が決定した。
<京都市立学校の教職員や保護者へのアンケートより>
【お便り配信】
・プリントの印刷や配布の手間がなくなった(教職員)
・保護者の登録状況や既読状況が確認できるのが便利(教職員)
・子供がプリントを出し忘れることがあったのでアプリで届くのは便利(保護者)
・メールは埋もれて確認漏れが生じるがアプリで通知が届くので確認しやすい(保護者)
【欠席・遅刻・早退連絡機能】
・朝の電話対応が減った(教職員)
・担任が直接確認できるので、職員室から各教室への連絡の手間が減った(教職員)
・これまでは電話がつながりにくいときがあったのでアプリ連絡は便利(保護者)
【体調管理(健康観察)機能】
・紙の健康観察票より、一覧で確認しやすい(教職員)
・紙に書くより、スマホで操作して提出できたほうが楽(保護者)
【スクリレポイント】
・学校備品と交換できるのはありがたい(教職員)
・学校を支援する気持ちを簡単に形にできてよい(保護者)
【全般】
・ぜひペーパーレス化を進めてほしい(教職員、保護者)
<連携協定について>
期間:2023年2月1日~2024年3月31日
連携内容:
・京都市が指定する対象校(約230校)及び対象校のPTAで理想科学が提供する「スクリレ」を利用する。
・対象校は「スクリレ」機能の利用に努め、「スクリレポイント」活動を推進する。
・京都市と理想科学は対象校において実証事業の効果を測定するためのアンケート等を実
施し、その効果を分析し評価する。