兵庫県加古川市は、2021、2022年度の2年間、加古川市立加古川中学校をスマートスクール推進モデル校として指定し、ICTを効果的に活用した授業実践に取り組んできた。このほど、同校がその研究成果等を発表。「授業でのICT活用率が全国平均の2倍」「ICT機器の活用が生徒の学習に役立ち、意欲向上に寄与している」等の成果があったことが明らかとなった。
同校で、ICTを活用した授業に関して、生徒にアンケート等を実施したところ、「1、2年生の時に受けた授業で、PC・タブレットなどのICT機器をどの程度使用しましたか」という質問に、41.5%の生徒が「ほぼ毎日使用した」と回答。全国平均(21.6%)の約2倍に達しており、日々の授業で頻繁に活用できていることがうかがえる結果となった。
「大型モニターを使った学習は、自分にとってわかりやすいと思いますか?」という質問では、最終的に86.8%が「わかりやすい」と回答し、ICT機器を活用した授業に対して「わかりやすい」と答える生徒が多く、学びに対するモチベーションが向上していることがわかった。
※アンケートは、1回目:2021年6月、2回目:2022年3月、3回目:2022年6月に実施
また、黒板だけの授業だけでなく、ICT機器を使うことが、学習に役立つと考える生徒が87%以上、学校に自身専用のICT端末があると学習に役立つと感じている生徒が89%以上を占めており、ICTの活用が学習効率を高めると考える生徒がかなり多いことも明らかとなった。
市では、従来から子供たちがパソコン教室、また家庭などでも活用できるように「地域BWA(広帯域移動無線アクセス)」を活用してきたが、2022年9月から市内の小学校17校339教室、中学校7校125教室で光回線サービスの利用を開始し、教室においてさらなる通信の高速化を実現している。
個々の普通教室に直接、光回線を1本ずつ敷く通信環境は全国的にもめずらしい取り組み。来年度にはすべての市内小・中学校の教室に光回線を導入し、学校では光回線、家庭などでは地域BWAを活用できるハイブリッド型の通信環境を構築する予定だという。