文部科学省はこのほど、小中高校生を対象に実施した「情報活用能力調査」の速報結果を公表した。
調査は、児童生徒が「情報活用能力」をどの程度身に付けているかを測定することが目的。全国の国公私立の小学5年生、中学2年生、高校2年生から抽出した14,219人を対象に、2022年1月から2月にかけてCBTで行われた。キーボードによる文字入力課題、問題調査、児童生徒質問調査および学校質問調査を実施した。
問題調査の結果から児童生徒の情報活用能力を得点化し、9つのレベルに分類したところ、レベル9(①アプリケーション、システム、デジタルの特徴を理解している②他人の主張に関する根拠を見つけることができる/複数の条件に応じて、複数の情報を検索し、選択できる③反復処理を含むプログラムの実行結果を想定しながら修正できる④不適切な情報を受信せずに、個人情報や著作権を保護しながら発信できる)の力が身についていると想定される高2は9.7%、中2は1.9%であった。
各校種において、7割程度の児童生徒に身についていると想定できるレベルを見ると、高2はレベル6(①目的に応じて、アプリケーションを選択し、操作ができる②目的に応じて、情報を整理することができる/複数の事象を示した図を読み解くことができる③分岐処理のプログラムの実行結果を考えることができる/プログラムの不具合から修正すべき箇所を見つけることができる④デジタル情報の発信に関わる肖像権、著作権等の権利やそれらを守る方法を理解している)、中2はレベル5(①指定されたフォルダへファイルに名前を付けて保存できる/クラウド上の編集権限を設定できる②目的に応じて、情報を図、表、グラフに示すことができる③分岐処理のプログラムをフローチャートに表すことができる④コンピュータウイルス感染の原因について理解している)、小2はレベル3(①指定されたフォルダを選択できる/ファイルの共有範囲を設定できる②複数の条件に応じて、情報を選択し、見いだした特徴を基に分類できる③条件に応じてフローチャートを修正したり、情報処理の手順を図で表したりすることができる④SNSの特性や著作権違反となる行動を理解している)であった。